最近注目を集めている“スパイスティー”。スパイシーで甘い香りは、リラックスタイムにぴったりなだけではなく、体調を崩しやすい季節の変わり目にもおすすめのドリンクです。この記事では、各スパイスの香りの特徴を解説しながら、おうちで簡単にできる“スパイスティー”のアレンジレシピをご紹介します。
組み合わせ自由自在!“スパイスティー”ってどんなもの?
寒い冬は温かい飲み物を飲む機会が増えますね。おうちでのホットドリンクはお茶やコーヒーが定番、という方にもおすすめしたいのが“スパイスティー”です。
“スパイスティー”には、比較的身近なジンジャーティーやチャイティーなど、コーヒーチェーンでも飲めるような王道のものから、ブラックペパーでスパイシーさをプラスした本格的なものまでさまざまな種類があります。
すっきり爽やかな香りから甘い香りまで、自分好みに楽しめるのが“スパイスティー”の魅力です。その日の体調に合わせて組み合わせたり、自分好みの香りを選んだりすることができ、気分によって選べる楽しさもあります。好みの茶葉を組み合わせたり、ミルクや果物、ハーブをプラスしたりと自分好みにカスタマイズしやすいのがポイント。食後や寝る前のリラックスタイムにもおすすめです。
一見難しそうに思える“スパイスティー”ですが、好みのスパイスを組み合わせて自由に作ることができます。家庭でも簡単に作れるので、ぜひお試しください。
甘い香りからスパイシーな香りまで!スパイスの特徴
店頭には多くの種類のスパイスが販売されているので、どれを選んだらいいか悩まれる方も多いのではないでしょうか。ここではスパイスごとの香りの違いや特徴、相性のいい料理などをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
・ジンジャー
3000年前から栽培されているなじみ深いスパイスで、爽やかな香りとピリッとした刺激が特徴です。日本では料理に使用されることが多いですが、西欧人はパンやケーキなどに活用しています。ジンジャーエールやジンジャービールなどもあり、飲み物との相性も抜群です。
・シナモン
古来親しまれているスパイスで、独特な甘い香りが特徴です。アップルパイやフレンチトーストなど、洋菓子や紅茶などに用いられます。ホールのものはスティック状になっていて、煮出して使用します。
・カルダモン
高価なスパイスとしても知られていて、清涼感のある香りとほろ苦さが特徴です。肉料理やカレーに使われるほか、洋菓子やパンとの相性もよいスパイスです。少量でも香りが強く、チャイの定番スパイスとしても欠かせません。
・クローブ
釘の形に似た花のつぼみを乾燥させたもので、バニラに似た濃厚な甘い香りが特徴です。最も香りの強いスパイスの一つで、少量でしっかり風味が楽しめます。肉料理から焼き菓子まで幅広く料理に活用できます。
・ブラックペパー
完熟前のコショーを乾燥させたもので、ピリリとしたスパイシーで刺激的な香りが特徴です。西洋料理では多く用いられる定番のスパイスです。ホールのものは煮込み料理やピクルスに使用されますが、多くはミルで挽いたものや、パウダーの状態で料理に使用されます。
・ナツメグ
ヨーロッパでは古くから貴重なスパイスとして親しまれていて、スパイシーでほんのり甘い香りが特徴です。ハンバーグなどの肉料理やドーナツなどの焼き菓子、卵料理など幅広い用途があり、ホールのものはすりおろして使用されます。
スパイスの中には妊娠中避けた方がよいものもあるため、十分注意してください。
“スパイスティー”をおいしく淹れる4つのポイント
組み合わせ自由で気軽に楽しめる“スパイスティー”。ここでは“スパイスティー”をおいしく淹れる際のポイントをご紹介します。
・使用するスパイスの種類
スパイスにはホールスパイスとパウダースパイスがあります。パウダースパイスは手軽に使うことができ、淹れたお茶に振りかけるだけで簡単に“スパイスティー”が楽しめます。ホールスパイスはスパイスの風味をしっかり感じたいときにおすすめです。ブラックペパーは軽くつぶすことでスパイシーさが、シナモンスティックは折ることで甘く刺激的な香りが漂います。
・スパイスの目安量
スパイスによって目安量は異なりますが、お茶2杯につきホールスパイスは2~5粒、パウダースパイスは小さじ1/2、しょうがは1かけくらいが目安です。パウダースパイスは入れすぎると粉っぽくなってしまうので注意してください。より香りを感じたいときはホールスパイスをしっかり煮出すのがおすすめです。
・スパイスを入れるタイミング・取り出すタイミング
パウダースパイスを使用する場合、淹れたお茶にパウダーを振りかけてそのまま飲むことができます。ホールスパイスを使用する場合は最初に水でスパイスを煮出し、沸騰したら茶葉を加え、茶葉が抽出されたら一緒に茶こしでこして、スパイスを取り除いて飲みます。
・“スパイスティー”に合わせたいおすすめの茶葉
アッサムティー:コクがあり、ミルクと合わせるチャイなどによく合います。力強い香りと味わいで、スパイスにも負けない紅茶の風味が楽しめます。
セイロンティー:セイロンティーといっても、産地により香りも味わいも異なります。標高によって香りや飲み口が変わるので、産地別に合うスパイスを見つけてみましょう。
ルイボスティー:カフェインが含まれていないので、カフェインを気にしている方や夜寝る前のリラックスタイムにおすすめです。
ほうじ茶:スパイスは紅茶だけでなく、ほうじ茶ともよく合います。中でもお茶の茎の部分を焙煎して作られた棒茶がおすすめです。甘く香ばしい棒茶にスパイスを加えることで和洋折衷の味わいになります。
初心者はティーバッグが使いやすくておすすめです。
管理栄養士おすすめ!スパイスの組み合わせのコツとちょい足しアレンジ
ここからはスパイスの組み合わせとちょい足しアレンジをご紹介します。手軽に自由な組み合わせで楽しめる“スパイスティー”ですが、アレンジすることで風味がさらに豊かになります。
【相性のよいスパイス】
- ・カルダモン×ブラックペパー
カルダモンの甘く爽やかな香りと、ブラックペパーの刺激的なスパイシーさが楽しめます。飲みやすい定番の組み合わせです。
- ・クローブ×シナモン
甘い香りでリラックスタイムにおすすめです。ミルクとの相性も抜群です。
- ・ジンジャー×ナツメグ
なじみ深いしょうがを使い、初心者にも試しやすい組み合わせです。ミルクと合わせて飲むのもおすすめです。
【ちょい足しアレンジ】
スパイスだけではなく、ハーブやフルーツをちょい足しして楽しむのもおすすめです。お茶ではなくミントやカモミールを煮出せば、スパイスハーブティーが楽しめます。レモンやオレンジなどの柑橘系フルーツと合わせるとより爽やかに。スパイスの刺激とシトラスの風味が楽しめますよ。
おうちチャレンジ!スパイスマスターこだわりレシピのご紹介
ハウス食品の小川です。私は社内資格である「スパイスマスター(※)」の資格を保有しているため、直接お客さまにスパイスの知識や使い方を教える機会も多いです。そんな私が、おうちで楽しめる、こだわりの「スパイスレシピ」をご紹介いたします。
※スパイスマスターとは、専門知識を持つ社内外の講師による「知識学習」「料理学習」「現場体験学習」などの養成トレーニングに参加して社内の資格認定試験に合格した社員に授与される称号。スパイスマスターは全国各地で行われる「スパイスカレッジ」の講師として活躍しています。
・ヒハツミルクティー
【材料2人分】
- ・紅茶(ティーバッグ)(アッサムなど)2袋
- ・水 200ml
- ・牛乳 200ml
- ・砂糖 小さじ4
- ・GABANロングペパー(ヒハツ) 少々
【作り方】
- ①鍋に水を入れて沸騰させる。
- ②紅茶を入れて色が出たら、牛乳、砂糖を加える。
- ③沸騰したら火を弱め、4~5分間煮出し紅茶を取り除き、ロングペパー(ヒハツ)を振る。
ほのかに甘く、爽快な香りがするミルクティーです。
・コリアンダーレモンティー
【材料2人分】
- ・紅茶(ティーバッグ)2袋
- ・湯(熱湯)400ml
- ・レモン(スライス)2枚
- ・GABANコリアンダー<パウダー> 少々
【作り方】
- ①温めたティーポットにティーバッグを入れる。熱湯を入れて1~2分おく(時間はティーバッグの製品の表示に合わせてください)。
- ②①をティーカップに注ぎ、スライスレモンを加え、コリアンダーを振る。
コリアンダーの柑橘系のような爽やかな香りがレモンティーによく合います。
・スパイス香るアイスチャイ
【材料4〜5人分】
- ・水 400ml
- ・牛乳 400ml
- ・グラニュー糖 大さじ3
- ・紅茶 大さじ3
- ・GABANカルダモン<ホール> 4粒
- ・GABANシナモンスティック(セイロンシナモン) 1本
- ・GABANクローブ<ホール> 4本
- ・GABANブラックペパー<ホール> 8粒
- ・GABANローリエ(アメリカ産)<ホール> 1/2枚
【作り方】
- ①シナモンは細かくくだく。カルダモンはさやをむいて種を出す(さやと種の両方を使う)。ボウルにシナモン、カルダモン、ブラックペパーを入れ、すりこぎなどで軽くたたく。
- ②鍋に水と①のスパイス、クローブ、ローリエを入れ、沸騰させる。
- ③湯が少し色づいたら、紅茶の葉を入れる。弱火にし、紅茶の葉が開いたら、牛乳を加える。再び沸騰してから、さらに1分半~2分くらい加熱し、火を止める。
- ④グラニュー糖を入れ、軽く混ぜる。
- ⑤あら熱が取れたら、茶こしでこし、冷蔵庫で冷やす。
数種類のスパイスを煮出すことでさまざまなスパイスの香りをお楽しみいただけます。
好みのスパイスを組み合わせて自由に作ることができる“スパイスティー”は疲れたときのリラックスタイムにおすすめです。毎日の暮らしの彩りに少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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執筆者プロフィール
矢崎海里(やざき かいり)
管理栄養士・調理師・フードコーディネーター。
大学卒業後、企業で管理栄養士として勤務し、調理・栄養指導などを担当。
現在はレシピ本へのレシピ提供や、Webメディアでコラム執筆、レシピ考案などを行っています。
※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。