調味料の正しい計量方法は意外と細かくは知らない人も多いのではないでしょうか?
カモンハウス会員の皆様よりコメント投稿いただいている「トークのお部屋」のテーマ“悩んだことのある「レシピ語」と対応した方法をお教えください!”には、「味付けに失敗した経験がある」、「そもそもなぜ計量することが大事なのかわからない」「適量とは?」など、様々なご意見が寄せられました。
そこで、調味料の計量は、料理を美味しくすることはもちろん、塩分や糖質など健康への影響にも重要ということや、計量の正しい方法について、管理栄養士の亀崎智子さんに教えていただきます。
※「トークのお部屋」の会員の皆様よりいただきました投稿内容は一部抜粋・編集して掲載しております。
調味料の計量と料理の味の関係について
会員の皆様から寄せられた「味に関する投稿」では以下のようなお悩みがありました。
- ・大さじ1ってこれくらいだよね!と、長年いい加減に勘で入れておりましたが、最近改めて計って作るようになり、勘で作るよりだいぶ美味しかったです(笑)。
(わびこさんの投稿)
- ・めんどくさがりなので、調味料の分量適当ですが、、、これは料理ができる人がやる事ですね。いつも味がぼやける。
(remontea06さんの投稿)
- ・やはり「塩少々」ですかね…。塩って一番料理の味を変えてしまうのに、その分量が少々と書かれていると困ってしまいます…
(arisaさんの投稿)
- ・味見が多くなると、舌の感覚に頼れなくなってしまうこともしばしばです。自分にとっての適量の目安を手軽に知ることができればいいですね。
(まろカレーまるさんの投稿)
味付けや料理への影響について
味が薄い・濃い、などのブレを防ぐため、レシピに忠実に計量することは、味付けに自信がない人には必要です。正確な計量を行うことで、料理の味を安定させることができるからです。
それぞれの調味料の性質を把握し組み合わせることで、美味しい味を生み出すことができます。
調味料は、食材(料理)に、味や香りをつけるのはもちろん、テリをつけて見た目をよくしたり、保存性を高めたり、とろみをつけたり、料理全体を美味しくする手助けにも。
同じ調味料でも味わいは違うため、自分自身や家族の好みの味に近い調味料を選んであげることも、美味しく仕上げるためのポイントのひとつです。
調味料の量を知っておくと、基本の味付けがわかるので、基本的な調味料のみでも、大さじ1杯あたりの重さ(g)換算を知っておくと便利です。
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砂糖 (上白糖) |
塩 |
酢 |
醤油 |
味噌 |
みりん |
大さじ1 |
9g | 18g | 15g | 18g | 18g | 18g |
調味料を正しく計量して美味しく健康に!
調味料を計量することは、正確な塩分量や糖質量を把握することにも繋がり、持病による食事制限や、塩分・糖質量が気になる方にも重要な工程です。また、成長期の子どもの食事において、食べやすさや甘さ、塩味などがわかりやすい味付けは、塩分や糖質をついつい摂りすぎてしまう原因にも。また、糖尿病や高血圧など、栄養管理が必要な人にとっても日々の調味料の量は厳格な管理が必要です。レシピどおりの調味料の量では過多になる場合、正確な量を把握しましょう。(注1)
塩分・糖分の摂りすぎを防ぐには?
成長期の子どもの塩分・糖分摂取過多を防ぐ方法としては、煮干しやかつお・昆布・干し椎茸などからだしをしっかりとって、旨味で料理を美味しくいただく習慣をつけるのが良いでしょう。また、糖分を砂糖に代わってみりんに代替する方法も。
●塩分
- だしをとる際の注意と良い影響
- ・粉末の顆粒だしを使用する場合には、塩分の含まれていない「素材のみ」で作られたものを使用する。
- ・煮干しやかつお・昆布・干し椎茸などからだしをしっかりとり、旨味を効かせることで、塩が少量でも美味しく感じることができる。
- ・お茶のパックなどに、乾物を適当にカットして入れておく、自家製だしパックを使用するのもおすすめ。
- ・だし以外にも、酸味や香辛料・薬味などを活用することで、塩をきかせなくても美味しい味付けを取り入れる。
- 料理酒を使う場合
- ・日本酒と料理酒は、いずれもレシピに記載されている「酒」として使用可能だが、料理酒は酢や塩が加えられているので、塩加減に留意が必要。
- 調理方法を変えてみる
- ・調理方法は、蒸す・煮る・ウォータースチーム・茹でるなどを活用する。
●糖分
- みりんを活用する
- ・砂糖や人工甘味料の使用量を減らすために、「本みりん」を活用する。(注2)
●調味料の黄金比を知って安定した味付けを
料理を楽しんだり、安定した味付けにすることができるよう、さまざまな味付けに使用できる万能ダレと煮物に使う調味料の黄金比を紹介します。
- ▼万能ダレ
醬油:酒:本みりん=1:1:1(酒がない場合、醤油:本みりん=1:1でも可)
- ▼煮物
だし:醤油:本みりん=8:1:1(注3)
ひと工夫することで、塩味・甘味・旨味・風味を楽しむことができ、健康にも影響してくるのが調味料なので、正しく計量しましょう。(注4)