お子さまが偏食により体調を崩したり、3食の準備など夏休みならではのお悩みをお持ちのご家庭も多いのではないでしょうか。
「カモンハウス会員」の皆さまにご協力いただいた、みんなのオープンデータ第8回「夏休みの過ごし方」のアンケート結果でも、「冷たいジュースやアイスなど間食が増える」「暑くて食欲が落ちてしまい、食べたいものが思いつかない」などの回答が多く寄せられました。
そこで今回は“夏に不足しがちな栄養素とその影響”の観点から、悩みごとに適したメニューを管理栄養士の荒井名南さんに紹介していだだきます。
夏休みのお悩み1位は“冷たいものの摂りすぎ”
夏休みは冷たいジュースやアイスなど間食が増えることで、内臓が冷え、胃腸が弱り夏バテを起こしがちです。親御さま自身も暑さで食欲が落ちてしまい、献立を考えるのが億劫になりがち。食材も傷みやすく、管理が難しい時期でもあります。
特に夏休み中は朝食、夕食以外に昼食の用意も増えるので、そうめんや冷やし中華など、「同じようなメニューになりがち」というお悩みを持つご家庭がアンケート結果でも多く見られました。
冷たい麺類に偏ると、炭水化物が多く、野菜やたんぱく質不足なメニューになってしまいます。また、汗をたくさんかき、ミネラルが不足するこの時期には熱中症のリスクは上昇傾向に。
夏に不足しがちな栄養素とその影響とは?
生活リズムの乱れから不足しがちな栄養素には、どんなものがあるのでしょうか。そして、それらが不足することで体調にどんな影響があるのかをご紹介します。
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●ビタミンB群とたんぱく質不足がだるさの原因に
暑さの影響による疲れやだるさの対策として、食事できちんと栄養を摂ることが大切です。エネルギー代謝に必要なビタミンB群とたんぱく質が不足しないようにバランスよく食べましょう。
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●夏バテ防止に効果的な栄養素
夏バテは、エネルギー、筋肉、体の調子を整える成分が不足して、五大栄養素のバランスが崩れると起こりやすいです。防止には、特にたんぱく質やビタミンが効果的です。
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●ビタミンB群、C群の不足が疲労を招く
食欲が減退して水分ばかりとっているとさらに食欲低下を招きます。また、エネルギーを補おうとして糖分を摂りすぎると、代謝に必要なビタミンB群が不足して十分なエネルギーが生み出せず、疲労がたまる原因にも。ビタミンCは暑さのストレスにより消費が高まり、不足しがちになります。
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●体内の水分不足が起こす弊害
大量に汗をかくことで体内の水分が不足し、血液がドロドロの状態になることで、細胞への水分供給がスムーズに行えなくなります。水分不足は、脱水状態や熱中症の原因になりますが、清涼飲料水ばかり摂取すると糖分過多になるため、スポーツドリンクなどを適宜飲むようにしましょう。もちろんスポーツドリンクも過剰に摂らないように注意を。
夏バテ知らずの体を作る、ビタミンやミネラルが豊富な食材を知ろう
食生活においては5大栄養素の中でもたんぱく質とビタミンが豊富な食材を摂取し、3食バランス良く食べることを心がけましょう。
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●野菜
夏野菜には、紫外線から身を守るための抗酸化作用のあるβ-カロテンの他にも、ポリフェノール類やビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれています。また、水分やカリウムも多く含み、水分を補いつつカリウムの利尿作用により、熱を持った体を冷やしてくれる役割もあります。
トマト、きゅうり、なす、ズッキーニ、トウモロコシなど
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●果物
体内の水分を調節する役割を持つカリウムを豊富に含むのが、夏の果物。特に、水に溶けやすいカリウムを生のまま食べることができる果物は、夏バテ防止が期待できる食材です。
スイカ、バナナ、メロン、桃、パイナップルなど
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●魚介
漁獲量の多い旬の魚には、たんぱく質や、代謝に必要な酵素の働きを助けるビタミンB群が豊富に含まれています。
アジ、タコ、アナゴなど
夏休みのお悩みごと解決メニューをご紹介
●体を冷やす食べ物を食べがちな夏に、栄養価も摂れるような肉料理
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・甘辛豚丼
しょうゆとみりんで甘辛く味つけ。
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・塩ネギ豚丼
顆粒中華だしで味つけ。
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・スタミナ豚ニラ丼
ニラと豚肉をオイスターソースで味つけ。
★ポイント
炒めるだけで簡単な豚丼はお昼ご飯にぴったりな上に、ビタミンB1が豊富!
どれもお好みでニンニクを加えてもおいしいです(アリシンの補給にも)。
●主菜に合う、ビタミン、ミネラル豊富な副菜(きゅうり、トマト、ズッキーニ、なす などの夏野菜)
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・きゅうりとトマトの塩昆布和え
・夏野菜の焼きびたし
なすやズッキーニ、パプリカなどを焼き、だし+しょうゆ+みりんの調味液に浸す。
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・きゅうりとタコのマリネ
・レンジで簡単!なすの田楽風
なすの皮に切り込みを入れてラップに包み、電子レンジ600Wで2分ほど加熱。
冷まして乱切りや輪切りにし、みそ+砂糖+みりんで和える。
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・ズッキーニのナムル
ズッキーニをスライサーで輪切りにし、電子レンジ600Wで2〜3分加熱、ごま油+顆粒中華だしで和える。
●栄養が不足しがちな夏に、いろいろな栄養がとれる料理
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・イワシの蒲焼き丼
イワシに小麦粉をまぶして焼き、タレを絡める。
★ポイント
イワシからDHAやEPAが摂れます。大葉をのせるとさっぱり食べられます。
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・鮭の包み焼き
キャベツやキノコ、にんじんなどの野菜の上に鮭の切り身を乗せてアルミホイルで包んで蒸し焼きに。味つけはみそならちゃんちゃん焼き風に、バター醤油なら子供も好きな味つけに。キャベツをちぎったり、アルミホイルで包む作業は親子で楽しめるのでおすすめ。鮭でなくても、タラやカレイでもおいしいです。
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・白身魚のパン粉チーズ焼き
粉チーズとパン粉を混ぜ、白身魚の上に振りかけて軽く押しつけ、オーブンでこんがりするまで焼く。
●魚料理に合う副菜
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・タコとわかめの酢の物(きゅうりなどを加えても◎)
・「だし」がけ冷奴(山形の郷土料理「だし」をかけた冷奴)
きゅうりやなす、大葉、みょうがなどを刻み、しょうゆやめんつゆで味つけする。とろろ昆布やかつお節、オクラなどを入れても良いですね。
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・ひじき入り白和え
ほうれん草や小松菜などの葉物の白和え。水切りした豆腐とみそで和え衣を作る。このとき、ゆでてつぶしたさつまいもを混ぜると、砂糖を使わなくても甘みが出て豆腐の水分を吸収して水っぽくなるのを防いでくれます。水で戻してサッとゆでたひじきを混ぜる。
●冷たいおやつに代わるデザート
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・冷やし焼き芋
焼き芋を冷やして食べる。食物繊維も摂取できます。
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・フローズンヨーグルト
水切りしたヨーグルトを凍らせる。お好みの果物を混ぜても。
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・手作りジュース
果汁搾り器やジューサーで、親子一緒にジュースを作る。ゼリーや寒天にしても。
●親御さんが仕事で昼間不在の場合の作り置きメニュー
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・彩り野菜のピクルス
きゅうり、ミニトマト、大根、パプリカなどの野菜を甘酢で漬ける。この際、きれいに洗い乾燥させた容器に密閉して冷蔵保存すれば、3〜4日は食べられる。食べる量だけ、きれいな箸やスプーンでとりわけること。
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・アジの南蛮漬け
アジに片栗粉をまぶして揚げ焼きにし、玉ねぎ、にんじん、ピーマンなどの野菜を千切りにして甘酢で漬ける。鶏むね肉でも。
●さっと作りたい時の時短メニュー
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・肉や魚の下味冷凍
生の肉や魚に生姜焼きやみそ焼きなどの味つけをしてフリーザーバッグに入れて冷凍しておく。朝、その日の晩に使うものを冷蔵庫に入れ替え、帰宅後に焼くだけ。
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・カオマンガイ風
洗ったお米にしょうゆ、オイスターソース、顆粒中華だしを入れて鶏むね肉をのせ、炊飯する。みじん切りにしたネギ、しょうゆ、酢で作ったタレをかける。
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・バター醤油キノコ
お好みのキノコを裂いて耐熱ボウルに入れ、しょうゆ、バターを入れて電子レンジ600Wで3分ほど加熱。
夏バテの原因は単に食欲の減退からくるものではなく、ビタミンやたんぱく質不足から起こるもの。手間のかかる料理でなくても必要な栄養を摂れるレシピで酷暑を乗り越え、元気に新学期を迎えたいですね。