アウトドアでの食事は、自然の中ならではの特別なおいしさを楽しむことができます。食材を手に取り、火をおこして料理を作る喜びは、日常の喧騒を忘れ、心をリフレッシュする素晴らしい機会です。しかし、アウトドアの経験が少ない方にとっては屋外での調理は慣れていないため、戸惑うこともあるでしょう。
そこで、会員の皆さまの声をご紹介しながら、アウトドア料理を楽しむポイントをご紹介します。おすすめの道具や下準備のコツ、便利な調理食材などをお伝えし、初心者の方でも楽しくおいしい料理を作るヒントをご紹介。今回は、キャンプコーディネーター/アウトドア専門家として活躍している「松尾真里子さん」にキャンプのコツやレシピ提案をしていただきました!
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<キャンプコーディネーター/アウトドア専門家>
松尾真里子(まつおまりこ)
キャンプコーディネーター/アウトドア専門家として、多数のメディアに出演してテレビ出演。焚き火料理・雑誌掲載・ウェブCM等で活躍中。(インスタグラム:marimari8208)
年中四季折々の自然の中でキャンプしています。テントを快適な別荘に仕立て、美しい景色を前に、さまざまな野外料理を作ってみんなでワイワイ宴を楽しんでいます。
アウトドアでは下準備が大切!?おいしい料理を楽しむコツ
アウトドアでの食事を楽しむ秘訣は、自宅での下準備。出発前に野菜を切ったり、お肉に下味をつけたりなどの準備を済ませておくと、現地での調理がスムーズです。
●レシピを事前に計画しておく
まず、レシピを決め、必要な食材をリストアップしましょう。食材の持ち運びや料理の手間を考えて、シンプルな料理を選ぶことが大切です。
<お手軽なレシピ例>
- ・お好みの具材で炊き上げて作るパエリア
- ・具材をオリーブオイルで炒めるように煮込むだけのアヒージョ
- ・ソーセージとバンズを焼いて作るホットドッグ
●食材を使いまわす
食材の無駄を減らすために、1つの食材を他の料理に活用する方法も考えましょう。例えば、野菜はサラダに使用したあと、炒め物やスープに利用することができます。
●お肉は下味、野菜は火の通りにくいものを中心に
お肉には下味をつけ、野菜は火の通りにくいものを中心にカットしておくと便利です。お肉をフォークで刺してたたいて調味料を加え一晩寝かせると、現地での調理時に味がしっかりしみこんでおいしくなります。また、かぼちゃやにんじんなどの火の通りにくい野菜は、事前に半月切りや輪切りにしておくと、調理が簡単で時短になります。
●保冷はしっかりと
食材を新鮮に保ち、食中毒を防ぐためにも、クーラーボックスや保冷剤を活用しましょう。特に生肉や生魚、生野菜の扱いには注意が必要です。
●食材は必要な分だけ持って行く
食材は食べ切れる分だけを持って行くことで、食材の無駄を防ぎます。
手軽においしく!アウトドアで重宝する調理食材を知っておこう
アウトドアで食事を楽しむために、持ち運びしやすく、手軽に調理できる食材を利用しましょう。開封してすぐに食べられる食材は、調理時間の短縮に役立ちます。
・レトルト食品
レトルト食品は、温めるだけで食べられるのでアウトドアにぴったり。種類が豊富で、手軽においしい食事を楽しむことができます。
例)カレー・シチュー・スパゲッティソースなど
・缶詰
缶詰は長期間保存が可能で持ち帰ることができます。味付け済みのものはそのまま食べられ、災害時にも便利です。
例)ツナ・さば・コーン・フルーツ・焼き鳥の缶詰など
・乾物
軽量で持ち運びが簡単です。削り節や小海老などはさっとスープに入れたり、ご飯にトッピング、料理に旨みや香りをプラスできます。
例)乾燥麺・春雨・スパゲッティ・高野豆腐・カットわかめ・削り節・ごま・のりなど
・冷凍食品
冷凍食品は下処理や切り分けが済んでいるものも多くアウトドア時に重宝します。クーラーボックス内に他の食材と一緒に詰めれば、鮮度を保つのにも役立ちます。
例)焼きおにぎり・うどん・枝豆・冷凍野菜・シーフードミックス・カットブロック肉など
・チューブ型の調味料
チューブ型の調味料は、必要な分だけ下味や薬味として使用できるのがよいところです。調理時間を短縮し、アウトドア料理を手早くおいしく仕上げるのに役立ちます。
例)にんにく・大根おろし・わさび・青じそ・しょうがチューブなど
・カット済み野菜
カット済み野菜は、野菜を切ったり洗ったりする手間を削減できます。使い切れる量のものを選べば、無駄を減らせるメリットもあります。
例)1種類の野菜が入っている単品タイプ、複数の野菜が入っているミックスタイプなど
アウトドアで活躍!使える調理グッズ5選
アウトドアでおいしい料理を楽しむために、作りたいレシピに合った調理器具を選びましょう。最小限のアイテムからはじめ、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。
・メスティン
メスティンはハンドルがついたアルミ製の飯ごうで、バーナーで簡単においしいご飯が炊けます。炊飯だけでなく、煮たり焼いたり蒸したりもでき、多彩な料理が可能です。
レシピ例)炊き込みご飯・パスタ・スープなど
・スキレット
スキレットは鋳鉄製の厚手のフライパンで、通常のステンレス製やアルミ製のフライパンよりも優れた熱伝導性と蓄熱性を持っています。耐久性が高く、長く使えます。
レシピ例)ステーキ・パエリア・アヒージョなど
・カセットガス ホットプレート
カセットボンベを使用した調理器具。高火力で食材をスピーディーに調理できます。プレートを外せばカセットコンロとしても使えます。
レシピ例)焼き肉・お好み焼き・ナポリタンなど
・ホットサンドメーカー
ホットサンドメーカーにはシングル・ダブル・ハーフサイズのタイプがあり、シングルは2枚の食パンで1つのホットサンドを、ダブルは一度に2つのホットサンドが焼けて大人数向けです。ハーフサイズは食パン1枚を半分にして調理するため、ソロキャンプに適しています。
レシピ例)サンドイッチ・ホットドッグなど
・マルチグリドル
マルチグリドルは、食材全体に熱が均一に伝わりやすいのが特徴です。また、深さ4cmのディープタイプは水分を多く含む料理や煮込み料理に適しています。料理をそのままお皿に盛り付けることもできます。
レシピ例)チャーハン・焼き鳥・アヒージョなど
専門家おすすめ!アウトドアにぴったりのオリジナルレシピ
●マルチグリドルで作る「サバ缶のアヒージョ」
【材料(2人分)】
- ・パン(バタール)小さめ2/3
- ・サバ缶1個
- ・プチトマト6個
- ・ブロッコリー半分
- ・アヒージョの素 適量(ハウス食品 商品使用※)
※詳細はこちら
- ・オリーブオイル 具材がひたひたになるくらい
【作り方】
- ①パンをスライスしておく。
- ②ブロッコリーを一口サイズに切る。
- ③マルチグリドルの真ん中にサバ缶をあけておく。
- ④周りにブロッコリーとトマトを円を描くようにおく。
- ⑤オリーブオイルを具材がひたひたになるまで入れる。
- ⑥火にかけアヒージョの素をふりかける。
- ⑦フツフツしてきたら火加減を調整し、周りにパンをおいていき完成。
●メスティンで作る「カレー粉パエリア」
【材料(2人分)】
- ・米一合
- ・水200ml
- ・あさり10個ほど
- ・パプリカ(赤、黄) 各半個
- ・カレー粉大さじ2(ハウス食品 商品使用※)
※詳細はこちら
- ・塩 少々
- ・レモン薄切り2枚
- ・パセリ適量
- ・シーフードミックス(イカ・エビ入り)半袋
【作り方】
- ①メスティンにお米を入れ、水で30分くらい先にひたしておく。
水をすて、水を180ml〜200mlほど入れる。
- ②カレー粉を混ぜ、シーフードミックス、パプリカ、あさりの順においていく。
- ③メスティンを火にかけ、はじめは中火で、ふいてきたら弱火にする。蓋が動かなく落ち着いてきたら火を止めしばらく蒸らす。
- ④レモン、パセリを彩りよく盛り付けたら完成。
簡単&絶品!ハウス食品の公式「お手軽アウトドアレシピ」
簡単なアウトドアカレー。具材を切り、スキレットで炒め、レトルトカレーをかけ、具材をのせるだけ。しっかり煮込んだ牛肉・玉ねぎ・トマトの旨みと甘み、デミグラス風のコク深く濃厚なソースをお楽しみください。
メスティン1つで具材を煮込みながらパスタを茹でられるので、洗い物も少なく手軽なレシピです。完熟トマトのミートソースを加えれば、満足の1品に仕上がります。
アウトドアの醍醐味は、自然の中での料理です。初心者でも下ごしらえのコツや調理器具・便利な食材を活かして、おいしい料理を楽しめます。ぜひ、家族や友人と自然の中での食事を共にし、日常の喧騒を忘れましょう。自然の中でのこの特別な時間は、リフレッシュできる貴重なひとときとなるでしょう。
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監修者
横川仁美(よこかわひとみ)
食と健康・美容をつなぐ「smile I you」代表。
健康食育シニアマスター、管理栄養士、ヘルスケア栄養ライター 料理研究家。ママや子どもの健康サポート、オンラインでの食カウンセリングを中心に活動中。
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※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。
【キャンプコーディネーター/アウトドア専門家コメント】ひと工夫でアウトドア料理がお手軽に!
「アウトドアって手間だな」と思う方もいるかもしれませんが、今では材料や調理器具(ホットプレートやホットサンドメーカー、メスティンやカセットコンロ)を上手く活用すれば、簡単に調理することができます。
食材もコンビニの冷凍食品やカット野菜を使うなど、包丁を使わずに誰でも簡単に調理できるようなものを用いると簡単においしいキャンプ飯が楽しめますよ。