2021年世界保健機関(WHO)の報告によると、世界各国で大気汚染に由来する健康被害がより深刻になっていると言われています。私たち人間は空気を吸って生きているため、大気汚染を見て見ぬふりはできません。ではきれいな空気を取り戻すためにはどうしたらいいのか? 大気汚染の原因や私たちの身近でできる解決に向けた取り組みについて紹介します。
            
           
          
          
            大気って何? 大気汚染って何? 
            
              大気とは地球をとり巻いている気体の層で、一般的には地球の「空気」と考えていただくと想像しやすいでしょう。その大気が汚れてしまうことが「大気汚染」です。大気汚染の原因は火山の噴火による塵など自然由来のものもありますが、主に社会問題となっているのは自動車から出る排気ガスや、工場の煙などに含まれている化学汚染物質です。
           
          
            大気汚染のせいで、ピラミッドが崩れてしまうかもってホント? 
            
               
            
              そのほか、石油や石炭などの化石燃料が燃える際に発生する硫黄酸化物は、人体に入ると気管支炎やぜんそくの原因になり、これらの呼吸器疾患や肺がんの患者は増えていると言われています。世界保健機関(WHO)の報告では、世界人口の約90%が汚染された大気の下で暮らしているため、健康被害のリスクがあると指摘されているほどです。
           
          
            大気汚染は地球上に住んでいる我々全員の問題 
            
               
            
              では、大気汚染はいつごろから発生しだしたのでしょうか? イギリスではすでに14世紀ごろには工業の発展に伴う石炭の使用の増加と家庭用暖房の燃料使用が始まっていたと言われています。
            
               
            
              そうした努力が実を結び、先進国では徐々に大気汚染が軽減されつつありますが、急速な工業化を進めている開発途上国の多くは、大気汚染に悩まされています。
            【考えてみよう】(解答はページの一番下を見てね) 
            
              Q. 東京都では新宿にある都庁から富士山が見える「富士見日数」を観測しています。東京から遠く離れた富士山は、天気や空気の汚れ具合によって見える日と見えない日があり、空気の透明度を知る目安になると言われています。では都庁で観測を始めた1992年と2020年で富士見日数は増えたのでしょうか、減ったのでしょうか?
            
           
          
            大気汚染を防ぐために、私たちができることはある? 
            
               
            
              大気汚染を防ぐために、私たちにもできることがあります。それは世の中で使うエネルギーの総量を減らすことです。火力発電で電気を作る際にも多くの大気汚染物質が出ますし、ガソリン燃料の自動車の使用も同様です。また、地球環境に配慮した製品を選ぶことも身近に行える取り組みの一つでしょう。
            
              ○近くへ出かける時は、車を使わず自転車や徒歩にする 
              ○遠くへ出かける時は、公共交通機関を利用し、複数人の場合は一台の車に乗るようにする 
              ○節電に努める。また、家電製品を買い替える時はエコ家電を検討する 
              ○ごみをきちんと分別し、資源ごみはリサイクルに回して、燃えるごみを減らす 
              ○なるべく地元で獲れたものを食べることで、産地から輸送する際に出る排気ガスを減らす 
             
            
              どれも毎日の生活の中で気軽に取り組めるものばかりです。ぜひ、親子で話し合いながら行ってみましょう。
            
            
            【考えてみよう】 
            
              A. 増えた。 
            ※文中リンゴキッドの吹き出しは、編集部追記 
            
           
          
            
              
                執筆者プロフィール
                大貫 未記(おおぬき みき) 
                気象予報士・健康気象アドバイザー。化粧品メーカーやドクターを取材するうち、女性の肌や体が天気の影響を受けていることを痛感して、2003年に気象予報士の資格を取得。
                
               
             
           
          
          ※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。
         
        
ハウス食品はリサイクルしやすいパッケージの開発に力を入れているよ。例えば、とんがりコーンの箱は底の部分にミシン目を入れて、捨てる時に折りたたみやすいよう工夫しているんだ。また、『冷しゃぶドレッシング』シリーズは、キャップ部分のとりはずし方法がパッケージに書いてあるから、分別する時に困らないね。