トレーニングの定番メニューである、スクワット。ダイエットや筋力アップなど、さまざまなうれしい効果が見込めて、効率よく全身運動ができることから人気が高いですが、正しいやり方でやらないと期待したほどの効果が得られず、膝が痛くなってしまったり、ケガの原因になることも! そこで今回は、スクワットの正しいやり方について初心者にもわかりやすく動画で解説。あわせて、もうひとつの鍵になる食事についてもお伝えしていきます。
正しい方法で効果アップ! 基本のスクワットをマスターしよう
お腹、背中、脚、お尻と大きな筋肉を一度に動かすことから、“キング・オブ・エクササイズ”と呼ばれるほど十分な活動量が得られる、スクワット。体脂肪の燃焼効果が高まるのはもちろん、姿勢矯正やヒップアップも見込めます。まずは、動画で正しいやり方をチェック!
●基本のスクワット
全てのスクワットの基本動作となるので、正しいフォームを意識して行いましょう。しゃがむ時に背中を丸めないことと、膝とつま先を同じ方向に向けることも重要です。
■姿勢のポイント
- ・足を肩幅程度に広げる
- ・太ももにものを挟み込むように意識して行っていく
■スクワットのポイント
- ・膝がつま先より前に出ないよう意識する
- ・太ももと床が平行になるように行う(無理のない範囲で行う)
1日に行う回数は10回×2〜3セットがおすすめですが、初めはできる回数で大丈夫です。慣れてきたら回数を増やしていきましょう。しゃがみ込む深さは太ももと床が平行になる程度までが目安ですが、初心者にはかなりハードなトレーニングだと言えます。最初のうちは少し浅めからなど、ご自身の体力レベルに合わせてスタートしてみましょう。運動において大切なことは「継続」することなので、毎日続けられる回数と強度で行ってくださいね。また、スクワットの姿勢が安定してきたら、呼吸の方法にも気を付けてみましょう。
- ・しゃがみ込む時…鼻から大きく息を吸いながら行う
- ・立ち上がる時…口から息を吐きながら行う
意識するだけで運動効果が高まるため、ぜひ行ってみてください。
慣れてきたら、アレンジスクワットで効果を狙い撃ち!
基本のスクワットをマスターしたら、さまざまなスクワットにも挑戦! ぜひ、ダイエットやトレーニングをする際の参考にしてみてください。期待できる効果別に、アレンジを加えたスクワットをご紹介します。
●ワイドスクワット
太ももの内側(内転筋)、前側(大腿四頭筋)を特に鍛えることができるスクワット。
太もも痩せや美脚を目指す方に。
■姿勢のポイント
- ・足幅は肩幅より広くとる
- ・つま先がやや外側になるようにして行う
■スクワットのポイント
- ・膝とつま先が同じ方向になるようにしゃがみ込む
- 立ち上がる時に太ももの内側を意識する
●ナロースクワット
体を支えるために重要なお尻の上から横にかけての筋肉を集中的に鍛えられるスクワット。
太ももの前側(大腿四頭筋)にも効果的なので、下半身強化に最適。
■姿勢のポイント
- ・足を閉じた状態で行う
- ・バランスの取り方に注意して行う
■スクワットのポイント
- ・しゃがみ込む時につま先が浮かないよう注意して行う
- ・体の側面に負荷がかかるように意識する
●ヒップスクワット
名前の通り、お尻の筋肉(大臀筋)に効果的なスクワットでヒップアップを目指せます。
太もも裏側の筋肉(ハムストリングス)にもより大きな刺激が加わります。
■姿勢のポイント
- ・しゃがみ込む時にお尻を突き出す
- ・体を前傾に保つことを意識して行う
■スクワットのポイント
- ・お尻の突き出しを特に意識する
- ・重心が後ろに行くので、つま先が浮かないように気を付ける
●ジャンプスクワット
通常のスクワットでは物足りなくなった方におすすめのスクワット。基本のスクワットよりも動きが大きいため、筋肉をしっかりと刺激することができると同時に、ジャンプによって腹筋や体幹にも効果が期待できます。
■姿勢のポイント
- ・足を肩幅程度に広げて行う
- ・基本のスクワットにジャンプの動作を加えて行う
■スクワットのポイント
- ・手の反動を使って飛び上がり、地面を踏むイメージで行う
- ・膝や足首などに違和感があったらすぐに中断する
●ブルガリアンスクワット
片足で行う高強度のスクワット。太もも全体〜お尻の筋肉(大臀筋)にかけて大きな刺激を加えることができます。また、バランスを取るために使うふくらはぎの筋肉も同時に鍛えることができます。
■姿勢のポイント
- ・膝くらいの高さの台を用いて行う
- ・十分なスペースをとって行う
■スクワットのポイント
- ・片足で体を支えるので、バランスを意識して行う
- ・左右の筋力差がある場合は、回数を変えて行う
アレンジ方法もマスターしたところで、もうひとつ大事なことについてご紹介します。
正しい方法だけじゃない! スクワット前後は「食事」が鍵
ダイエットや筋力アップなど、さまざまなうれしい効果が見込めるスクワット。効果的に行うためには正しい方法が大事だとお伝えしましたが、もうひとつの鍵が「食事」です。
私たちの体は息をしたり眠ったりするだけでもエネルギーを必要としています。当然、運動によって体を動かすとなると、さらなるエネルギーが必要になりますが、その元となるのが、食事です。具体的にエネルギー源となる栄養素は、炭水化物(糖質)や脂質。特に炭水化物は体内にあまり貯めておくことができないため、食事から摂取する必要があります。
エネルギー不足のまま運動をすると、集中力が欠けてパフォーマンスの低下やケガのリスクが高まります。スクワットの前後には主なエネルギー源となる糖質、そして運動後には特に体の組織に必要なたんぱく質が含まれているものも合わせて食べるようにするとよいでしょう。
関連リンク
運動効果をさらに引き出す食事とタイミング
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執筆者プロフィール
西村 典子(にしむら のりこ)
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。10年以上にわたり、スポーツ現場でトレーナー活動を行う。資格と現場経験を活かし、健康づくりに役立つ、実践しやすい運動のコツを紹介している。
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