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わさびやからしだけじゃない!「ねりスパイス」がこれほど多様化している理由とは?

わさびやからしだけじゃない!「ねりスパイス」がこれほど多様化している理由とは?

今やほとんどの家庭で使われているチューブ入りのスパイス。確かに、冷蔵庫に「わさび」や「からし」などを常備しているという方が多いのではないでしょうか。実は、ハウス食品グループが販売している「ねりスパイス」は現在なんと49種類(※ )!  定番のものから、「まさにこんなものを探していた!」というニッチなものまで多彩です。ここまでラインナップが広がってきた理由について、開発を担当している食品事業三部の多田敦志さんに伺いました。

※2021年8月現在(瓶入りを含む)

生活スタイルの変化によって「ねりスパイス」の役割に変化が!

――ハウス食品グループには幅広い「ねりスパイス」のラインナップがありますね。どのようにして増えていったのでしょうか。

多田さん:従来の「ねりスパイス」は、「わさび」や「からし」のように、薬味として使われるものがほとんどでした。ところが、生活スタイルの変化によってお客様が求めるものが徐々に変わってきています。

例えば、共働き家庭や一人暮らしの人が増えたことにより、準備に手間をかけずに料理を作りたいというニーズも増えています。そこで、元々は主に薬味として使われてきた「おろし生しょうが」や「おろし生にんにく」が、料理の下味をつけるために使われるようになるなど、使用シーンも増えてきています。

――確かに、にんにくやしょうがを丸ごと買ってきてすりおろすのは手間がかかり、手にニオイもついてしまいます。それに、一度の料理に使うのはほんの少しなので、使わなかった部分をどう保存すべきか、という悩みもあります。

多田さん:まさに、そうしたお悩みを解消できるのが「ねりスパイス」の強みです。適量で無理なく使いきれるので、使い勝手がいいというわけです。一方で、頻繁に使うからこそ手間だけ省きたいという方のために、大容量サイズもご用意しています。未開封であれば1年間の常温保存もできるので、ストックしておいて、欲しい時にいつでも使っていただけます。

――薬味としてだけではなく、便利な調味料という位置づけになりつつあるということですね。

多田さん:そうですね。そういう意味で言えば、新しい味にチャレンジする際にも「ねりスパイス」を便利に使っていただいています。

例えば、たまには定番料理ばかりではなくちょっとアレンジしたい時に、使用頻度の少ない調味料やスパイスをたくさんそろえるのは、大変なこともありますよね。そんな時に「レモンペースト」や「かぼす&すだちペースト」「きざみ紅しょうが風ペースト」などがあれば、チューブから出すだけでいつもと違う味や風味を楽しむことが手軽にできます。しかも、省スペースなので冷蔵庫の中にそろえておいても邪魔になりません。

食生活をとりまく消費者のニーズに対して一つひとつ応えていった結果、このように多くの商品が生み出されてきました。

特徴はさっぱりとみずみずしい風味。開発に5年の年月をかけたこだわりの商品

――2021年夏にも、新しい商品が2つ加わりましたね。まずは「大根おろし」について教えてください。こちらはどういった背景があって発売に至ったのでしょうか。

多田さん:こちらは主に、一人暮らしの方を想定して開発がスタートしました。例えばサンマを食べる時に大根おろしを添えたいけれど、それだけのために大根を買うのをためらうケースは多いと思います。もちろんすりおろす手間も面倒です。こうした方に、さっと使える大根おろしがあったら便利だろうと考えたのです。

――ひと手間かければおいしくなることはわかっているけれども、そのひと手間のハードルは意外と高いものです。この商品があれば手間をかけずにおいしく食べられるというわけですね。

多田さん:はい。ただ発想から商品化までは5年以上と、かなり長い時間がかかってしまいました。難しいところがいろいろありまして……。

――一番難しかったのは、どういった点でしたか?

多田さん:大根おろしのおいしさは、「さっぱりとしたみずみずしい風味」なんです。しかし、「ねりスパイス」という、お客様の手元に届くまでは長期常温保存が前提の商品で、どうすればその風味を保てるのかということにかなり苦労しました。こちらは現在、一部技術について特許を申請中です。

また、食感にもこだわりがあります。大根を粗めにおろせば大根のシャキシャキ感を強く感じる一方で、味がぼんやりしてしまう。逆に細かくすれば、シャキシャキ感が失われてしまう……食感と味のバランスを決めるために100以上の試作品を作り、何度も試食を繰り返しました。

――そうして出来できあがったのがこの「大根おろし」ですが、おすすめの使い方はありますか?

多田さん:まずは、開発のきっかけにもなったサンマの塩焼きに添えてみてください。この商品のもうひとつの特徴であるすだちの風味がほどよく効いて、おいしく食べていただけると思います。他にも個人的には、納豆に混ぜるのもおすすめです。納豆は朝食に食べる方が多いと思うのですが、忙しい朝こそさっと大根おろしが使えれば便利ですよね。

ペースト状にすることで生まれた、ラー油の新しい可能性

――もうひとつの新商品である「のっけてラー油ペースト」についても教えていただけますか?

多田さん:開発のきっかけは、餃子や麻婆豆腐にラー油をかけていた時に、辛くはなるけれども何だか物足りないと思ったことです。また、従来のラー油は、使い残りが多く余ってしまったり、料理を食べる時にラー油がたれてテーブルを汚してしまったりといった悩みもあることがわかっていました。そこで、豆板醤、甜面醤、豆鼓醤の3種類の醤を入れてコクを効かせ、ペースト状にしたら使いやすいのではと考えたのです。

――辛いものが好きだという方も、「ただ辛ければいいわけじゃない」と言いますよね。旨辛、つまり、辛いだけではなくおいしさがより引き立つ調味料をめざそうということですね。

多田さん:その通りです。ところが実際開発を始めてみると、それが非常に難しかったのです。しっかりコクや旨味をつけたいと醤を効かせすぎると、ラー油でなく醤を食べているように感じてしまいます。ラー油らしい辛みと、ごま油の風味をしっかりと感じられながらも、コクがあっておいしいという味にすることが、最も苦労したポイントです。

――口に入れた時に感じる辛さ、鼻に抜ける香り、他の食材と合わさった時に負けないコク、舌に残る旨味……と多くの点をクリアした商品なんですね。

多田さん:さらに、従来のラー油よりも使いやすいということもポイントです。ペースト状なので液だれもしませんし、手も汚れません。使いたい量だけ出して料理にのせて使えるので、ピンポイントで食材につけることもできます。小さいお子さんがいる家庭で、お父さんお母さんだけが辛いものを食べたいという時にも便利です。

そして、ペースト状にすることで、つゆやスープと混ざりやすくなっています。最近レシピサイトなどでよく見かけるラー油を入れた辛い鍋スープを作る場合や、最初はふつうに味付けした鍋を食べていて、途中から小皿に入れたつゆに溶かして味の変化を楽しむ場合にも使えます。

こうした時、液体のラー油だと油浮きしてしまって混ざりにくいのですが、「のっけてラー油ペースト」なら溶かしやすいため、具材ともよくなじみます。

――ラー油の楽しみ方がぐっと広がりますね。他にも「のっけてラー油ペースト」のおすすめの使い方はありますか?

多田さん:もちろん王道は餃子です(笑)。これだけで餃子がおいしく食べられるよう、味やコクの強さを決めていますから、ぜひ一度使ってみてください。また、麻婆豆腐に後のせしても、辛さと旨味、コクが足されて、よりおいしく食べていただけます。辛いものが好きな方なら、お好み焼きにのせるのもいいですね。さらに、おにぎりやそうめん、焼肉、から揚げ、野菜炒めや冷奴と、調味料として幅広く使っていただけます。

「ねりスパイス」がキッチンになくてはならない存在になることをめざして

――今後、こういった「ねりスパイス」を開発してみたいというものはありますか?

多田さん:そうですね……今の時点で具体的な構想はないのですが、大きな目標としては、「ねりスパイス」が多くの家庭のキッチンになくてはならない存在になれればと考えています。

一般に言われる「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」はどの家庭にもありますよね?同じように「ねりスパイス」が、ないと困ると言われるくらいになる商品を作ってみたいですね。今までの「ねりスパイス」の枠組みにとらわれず、チューブに入っていたらいい、ペーストになっていたら便利という観点から次のヒントをみつけていければと思います。

――開発の際に、他社の商品というのは気になるものでしょうか?

多田さん:もちろん、「ねりスパイス」に限らず他社の新商品のチェックは欠かさず行っていますが、気になるのは商品そのものというより、なぜその商品を出したかという背景ですね。お客様のどのようなニーズに応えたのか、また、従来品のどういった点を改善して新しい価値として提供したのか、といった気づきを得るチャンスだと考えています。もちろん、レストランや外食チェーンのメニュー、家庭料理の人気レシピなどもチェックするように心がけています。

――「ねりスパイス」以外に開発したいもの、関わりたい商品はありますか?

多田さん:「ねりスパイス」は現代の食生活にフィットしていて、食卓を豊かにすると考えていますが、他の調味料や食材など、どの商品にもそれぞれの長所や魅力があります。ハウス食品グループのポリシーでもある、「食を通じてお客様に笑顔になっていただける」という視点が変わらなければ、どんな形の商品にでもチャレンジしていきたいと思っています。

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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