体がだるい、肩がこる、なんとなく食欲がない……そんな「なんとなく不調」は体からのSOSサイン、いわゆる「未病」かもしれません。「未病」のうちに、普段の「食事」からできることを見ていきましょう。
「なんとなく不調」が続いたら「未病」の始まり
体がだるい、肩こりがつらい、食欲がない……。なんとなく不調と感じても、西洋医学的には異常がないと診断されることが少なくありませんが、こうした“健康ともいえないが、病気ともいえない状態”のことを、東洋医学では「未病」といいます。
呼吸器・循環器・消化器など人間の体を部分的にとらえる西洋医学では、症状が多岐にわたる「未病」は治療の対象になりにくいこともあります。
一方東洋医学には、症状は同じでも体質は一人ひとり異なるため、それぞれの体質や体全体の状態を総合的に捉え、体全体のバランスを整えることで治療をするという考え方があります。「なんとなく不調」を体からのSOSサインとして受けとめ、「未病」のうちに体調を整えたいものです。
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「未病」や病気を招く原因は、「気・血・水」の乱れ
東洋医学では、体は「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの要素から成り立っており、この3要素がスムーズに巡ることで健康な状態を維持することができると考えます。「気」は精神面や神経面、「血」は血液や血液循環など、「水」は血液以外の体液や水分代謝を指します。これらのうちどれか一つでも不足したり滞ったりしていると、心身の不調が表れて、「未病」や病気を招く原因になります。
「気・血・水」が乱れる要因は、季節や環境の変化、冷え、ストレス、偏った食生活、睡眠不足などさまざまですが、それらの乱れを改善し、体全体のバランスを整える手段が「養生」です。漢方薬、はり灸など、東洋医学の養生法にもいろいろありますが、生活にぜひ取り入れたいのが、食事の工夫によって「未病」を改善し、健康を維持する「食養(食養生)」です。
「五味五色」を揃えれば、自然に理想的な献立に
食養には「五味五色」という考え方があります。
「五味」とは、「辛い・苦い・甘い・塩辛い・酸っぱい」の5つの味のこと。単純に風味だけを指すのではなく、例えば「苦み」は体内の余分な熱や水分を除去するというように、それぞれ体にもたらす独特の作用を持っています。
「五色」は食材の色で、「赤・黄・緑・白・黒」の食材を食事に取り入れると、健康になると考えられています。
「五味五色」が揃う食事は、味も彩りも栄養も豊か。「気・血・水」をスムーズに巡らすため、まずは日頃の献立にたくさんの色を入れるところから始めてはいかがでしょうか。
女性は7年、男性は8年。節目年齢で変化する心と体
東洋医学では、女性は28歳、男性は32歳をピークに徐々に生命エネルギーの「気」が減っていき、女性は7年周期、男性は8年周期で体の変化が表れると考えられています。
例えば女性の場合、35歳で肌が不安定になり、42歳で白髪が増え、49歳で閉経を迎え、56歳で冷えやすくなる……とされています。20〜30代の時にできたことが40代、50代でできなくなるのも、体の仕組みとしては当然のことなのです。
節目年齢になったら、無理に頑張るのではなく、生活の転機ととらえ、休みを上手に取るなどの工夫をすることが大切。自分の体の変化を受け入れ、いたわることで、健やかに歳を重ねることができるでしょう。
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出典
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オールアバウト
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