花粉や季節の変わり目の乾燥、長期間にわたるマスク生活などが重なり、最近肌が荒れがち……という人も少なくないのではないでしょうか。そんな時には、スキンケアだけでなく「食事」を見直すことで改善ができるかもしれません。今回は、美肌につながる栄養素と食事をご紹介します。
肌荒れの原因?こんな食事はNG
春は花粉や黄砂、夏は厳しい紫外線、秋は寒暖差、冬には乾燥など……。一年中さまざまな原因によって、肌トラブルには悩まされるもの。さらにマスクによる摩擦やストレスなども重なって、深刻な肌荒れに悩んでいる人もいるのでは?
そこでまず気を遣いたいのが、肌と密接な関係にある食生活。イベント続きで胃腸の調子が良くない時には化粧のりも悪くなったり、ジャンクフードの食べ過ぎで吹き出物が目立つようになったりした経験がある人は少なくないのではないでしょうか。
■肌荒れを招く可能性のある食生活
・食べ過ぎ
ストレス解消のためについオヤツをつまんでしまう、リモートワークだと食べ物がすぐ手の届くところにあるなど、以前より食事量が増えている人は少なくないはず。食べすぎは胃腸に負担をかけて、肌がくすんだり血色が悪くなったりする一因になります。
・バランスのとれていない食事
自炊をしているので健康的……と思いきや、振り返ると意外と炭水化物だけのメニューになってしまっていることも。毎食続くとタンパク質やミネラルが不足する原因となり、健康な肌が作られにくくなります。
・水分不足
外出の機会が減り活動量が少ない生活を送っていると、喉が渇きづらくなります。体内の水分は血管やリンパ管を通じて、酸素や栄養素を運んだり、老廃物を回収したりしていますが、水を飲まないと循環が悪くなり、ターンオーバーの乱れにつながります。
肌荒れを防ぐ食事と栄養素とは?
■朝食
まず大切なのは、朝食を抜かないこと。とはいえ、栄養バランスが整った食事を毎朝用意するのはなかなか難しいものです。また、起きたばかりだとお腹が空いていない人もいるでしょう。そんな人は、牛乳1杯、バナナ1本でもOKです。とにかく何か口に入れることで、交感神経のスイッチが入って自律神経が整いやすくなり、ターンオーバーを正常に近づけるのに役立ちます。
■昼食・夕食
3大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)と、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることを心がけましょう。ご飯やパン、麺類などの主食に肉や魚、卵や豆腐などの主菜、そして野菜や果物、海藻、きのこ類などの副菜というような定食形式をイメージすると、栄養バランスが整いやすくなります。
また、温かい汁物を添えるのもおすすめ。野菜やきのこを入れた具だくさんの味噌汁にして食事の最初に食べるようにすれば、食物繊維が血糖値の急激な上昇を防いでくれ、さらに発酵食品が腸内環境も整えてくれて、一石二鳥です。
さらに美肌のために、不足しないよう積極的に摂りたいのは、次のような栄養素です。
■意識して摂りたい栄養素と食べ物
・ビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚の健康を保ち、ターンオーバーのサポートをしてくれます。ビタミンB2を多く含むのは、うなぎやレバー、青魚、アーモンド、納豆、卵など。
・ビタミンB6
皮膚炎を予防し、皮脂のコントロールをしてくれるビタミンB6。豚肉やうなぎ、のり、豆類などに多く含まれますが、豚肉は脂質も多いため、脂身は取り除くほうがよいかもしれません。
・ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠。ビタミンCを多く含む野菜はパプリカやブロッコリーなど。ただし、水に溶けやすく熱に弱いため、生で食べられるキャベツや、キウイフルーツやイチゴ、ネーブルなどのフルーツなどから摂るのもおすすめです。
・カリウム
細胞の新陳代謝を助け、皮膚の再生を促すカリウムは、アボカド、いも類(里芋、サツマイモ、ジャガイモなど)、アーモンド、落花生、ホウレン草、小松菜などに豊富に含まれます。
・カルシウム
カルシウムは、ターンオーバーを正常に近づけ、キメの整った透明感のある肌には欠かせません。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品や、骨ごと食べられる小魚、納豆、小松菜などに多く含まれます。
サプリメントの活用もアリ?効果的な飲み方は
どうしても食事だけでは不足しがちになるミネラルは、サプリメントの利用を考えてみてもいいでしょう。
例えば、鉄や亜鉛は、健康な肌を保ち、肌トラブルの回復を促すために欠かせないミネラルですが、吸収率が低いため、食事だけでは不足しがちです。また、特に女性は生理があるので、男性に比べて鉄分不足に陥りやすいことはよく知られています。
サプリメントを上手に利用するポイントは、決められた量や飲み方を守って、一定期間続けること。肌のトラブルが気になるからといって一度にたくさん飲んだり、改善が見られたらすぐに飲むのをやめたりすると、体の中でうまく働いてくれません。
また、ビタミンやミネラル類は単体ではなくいくつかの栄養素が協力し合って働いています。特定のサプリメントを飲みさえすれば肌の調子が整うというわけではないことに注意しましょう。あくまで食事から摂りづらいものを補うという意識で利用してくださいね。
食生活改善にプラスして心掛けたい美肌習慣
食生活改善の効果をさらに後押しするなら、こんな習慣も取り入れてみてはいかがでしょうか。
■質の良い睡眠をしっかりとる
質の良い眠りは成長ホルモンやメラトニンの生成を促し、肌の新陳代謝を活発にしたり、紫外線ダメージを修復してくれたりします。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる、15時以降はカフェインの入った飲み物を飲まないといった小さな工夫で、眠りの質は変わってきます。
■適切な運動を欠かさずに
運動は代謝を活発にし、血流改善にも役立ちます。なかなかジムやスタジオなどには行きづらい時期ではありますが、家の中でのストレッチやスクワットなど、軽い運動でも十分効果がありますよ。大切なのは継続すること。負担にならないくらいの運動から始めてみてはいかがでしょうか。
■攻めと守りのスキンケアを意識する
肌にトラブルができている時は、何か特別なケアをしなければと思いがちですが、それがかえって肌の負担になってしまうこともあります。美容効果が高いクリームやピーリングなど攻めのスキンケアを使うのは肌の調子が回復してから。まずは、刺激の少ない化粧水や乳液などで保湿に努めましょう。
私たちの体や肌は、日々の食事から摂る栄養素でできています。また、肌はターンオーバーによって常に生まれ変わっているため、今日から肌に良い食事とたっぷりの睡眠、そして適切なスキンケアを心がければ、トラブルの少ない健康的な肌になれるはずです。
まずは今日から1週間、肌に良い生活を始めてみましょう。疲れにくくなったとか、胃のあたりがすっきりするとか、何らかの改善の兆しが見えるはず。そうした体からのサインをモチベーションにすると、きっと肌にも嬉しい結果が得られるに違いありません。
-
執筆者プロフィール
和田 清香(わだ きよか)
ダイエットエキスパート。NYで学んだボディケア術、350種類以上のダイエット法を体験して15kgのダイエットに成功した経験、認定栄養学&健康促進コンサルに関する資格をもとにした知識と分析力から、信頼できる「ダイエット方法」と「ボディケア」情報を提供。
※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。