最近ストレスがたまっていてつらい……と感じている人は多いのではないでしょうか。日々の食事は体はもちろん心にも大きな影響を与えています。ストレスがたまっている時こそ、毎日バランスのよい食事を心がけたいものですよね。栄養たっぷりの食事を摂ることで、ストレスに負けない体と心を作るための方法を専門家に伺いました。
「毎日自炊だからヘルシー」の落とし穴
私たちの生活にはストレスがいっぱいです。仕事や家事や子育てが忙しい、家族や友だちとちょっとした意見のすれ違いがあった、ダイエットがうまくいかない……コロナ禍では思うように外出できない、友だちと会えない、マスクをつけ続けるのがつらいといったこともあり、もう爆発寸前!なんて人も多いのではないでしょうか。
そんな時におすすめのストレス解消法が、食事。実は、毎日の食生活を見直してバランスのよい食事をすることは、ストレスを減らすことにつながるのです。ストレスと食には密接な関わりがあり、食べることでストレスを解消している人も多いのではないでしょうか。しかし、好物ばかりの偏った食事や不規則な食事などで、体の健康を維持するために必要な栄養素が不足すると、ストレスを感じやすくなることがあります。そのため、栄養バランスのとれた食事はストレス対策にもなるのです。
自炊を心がけているから大丈夫という人でも、よく内容を聞いてみると意外と栄養が偏っていることが少なくありません。なぜなら、3食自宅で食べていたりすると、どうしても似たようなメニューばかり作ってしまいがちだからです。特に、作りやすい麺類や丼物などが続いている人は要注意。エネルギーは足りていても、たんぱく質やビタミン・ミネラル類が不足しているかもしれません。
そして、ストレス軽減のために積極的に摂取したい栄養素は、「葉酸」です。葉酸はエネルギー代謝を高め、疲労回復効果があるとされるビタミンB群の一種で、抗酸化作用も期待できます。妊婦さんや子どもに必要な栄養素というイメージが強いのですが、最近では幅広い年齢層によい影響を与えることがわかってきています。ブロッコリーやアスパラガス、小松菜やほうれん草などの葉野菜、いちごなどに多く含まれていますが、葉酸は光に弱く、日があたる場所に放置するとどんどん失われていってしまうので、できるだけ新鮮なものを使いましょう。熱にも弱いので加熱する時間は短めに。また、水溶性なのでカレーやスープのように汁ごと食べてしまえる料理に使うと、効率よく摂ることができます。積極的に摂りたいなら、サプリメントを利用してみてもよいですね。
栄養たっぷりの旬の素材やお助け調味料を使って脱マンネリメニュー
理想は、いろいろな食品をバランスよく取り入れて、 主食・主菜・副菜をしっかりと摂ることですが、忙しい現代において毎食きちんと揃えるのはなかなか難しいものです。まずは、いつもの料理に旬の食材をプラスしてみるとか、新しいメニューに挑戦してみることで食材のバラエティを増やすといったことから始めてみるのはいかがでしょうか。
旬の食材は味や香り、うまみが濃く、栄養価にも優れています。食材によっては、ビタミンやミネラル類などが旬でない時期に比べて倍以上違うこともあります。さらに、たくさん採れる時期だから価格も安くなるなど、メリットは数多くあります。
外出をなるべく控えているため、買い物は日持ちのするものを選ぶことが多い……そんな人は、品質にこだわった旬の食材を、全国各地の農家や漁師から直接購入できるサービスを利用するのもおすすめです。最近増えてきていますし、自宅からネットで注文でき、家まで配達してくれるので手間いらず。通常は高級飲食店に卸しているような果物や有機野菜が、流通経路を省いている分手頃な価格で買えることもありますし、産地でしか出回らない珍しい果物や希少な魚などを、遠くの地から手に入れることもできます。
味付けに自信がなくて自炊できるレシピが増えないなら、「味付カレーパウダー」といった商品に助けてもらうというのも手です。なかには半加工品といったかたちで、ほとんどできあがっている料理にいくつかの食材を足せば完成するという商品もあります。和洋中エスニックとさまざまな種類があり、1人用~多人数用と用量のバリエーションも豊富なので、まずは1人の昼食から試してみるのもよいでしょう。よい食材が揃って、味が保証されるなら、初めての料理に挑戦するハードルもずいぶん下がりますよね。
春ならでは!ストレス対策におすすめの夕ごはんレシピ
さまざまな野菜が旬を迎える春は、食材を選ぶのも楽しいものです。なかでもこの時期にしか手に入らない食材、菜の花を使ったカレーを作ってみましょう。お米を炊くと時には「新玄 サプリ米 葉酸米」を使用すると、ストレス対策のための栄養価がよりアップします。
菜の花と鶏もも肉のカレー
【材料】5皿分
- ・ジャワカレーのルウ<中辛>185g 1/2箱 92.5g
- ・鶏肉(もも) 250g
- ・菜の花 1/2束 100g
- ・玉ねぎ 中1個 200g
- ・にんじん 中1/2本 100g
- ・じゃがいも 中1個 150g
- ・サラダ油 大さじ1
- ・水 700ml 3・1/2カップ
【作り方】
- ①鶏肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもは一口大に切る。菜の花は硬い部分を切り落とし、塩(分量外)を加えた熱湯でさっとゆでて水にとり、水気をしぼって長さを半分に切る。
- ②厚手のなべにサラダ油を熱し、①の鶏肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを入れてよく炒める。
- ③水を加え、沸騰したらあくを取り、弱火~中火で約15分煮込む。
- ④いったん火を止め、ジャワカレーのルウを割り入れて溶かし、再び弱火で約10分煮込んで最後に①の菜の花を加えてひと煮立ちさせる。
菜の花は色や形がかわいいので、さっとゆでたものをトッピングとしてカレーの上にのせてもよいですね。菜の花の代わりに、ソラ豆やタケノコを入れても春らしいカレーになります。ちなみに菜の花やそら豆には葉酸がたくさん含まれています。
見て楽しく食べておいしい、彩り豊かな食卓
旬を意識するといろいろな食材を選べるようになり、また、同じ食材でも調理法や調味料を変えるだけで献立のバリエーションが豊かになります。
栄養バランスを整えるには、メニューを考える際に彩りを意識するのもおすすめです。例えば、サケのムニエル(赤)、だし巻き卵(黄)、キュウリのピクルス(緑)といったように、異なる色のメニューを揃えれば、食卓も華やかになるうえ、幅広い栄養素が摂れるというわけです。
何品も揃えられない時は、もっと簡単に考えてもOKです。サンドイッチを食べるなら素材の少ない卵サンドではなく素材の多いミックスサンドを選ぶといったように、たとえ一品メニューでも工夫次第で栄養バランスを整えることはできます。
日々の食生活で体に必要な栄養素が摂れていれば、心身が安定し、ストレスに対する抵抗力も高まります。まずは今日から、体と心にやさしい食事を意識してみませんか。
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執筆者プロフィール
平井 千里(ひらい ちさと)
小田原短期大学食物栄養学科 准教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。
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