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ヨーグルトは本当にいいの?トマトはダメ?季節を問わず注意したい、花粉症にまつわるウソ・ホント

ヨーグルトは本当にいいの?トマトはダメ?季節を問わず注意したい、花粉症にまつわるウソ・ホント

もはや国民病とも言われる花粉症。症状を引き起こす花粉はスギだけではないので、つらいと感じる期間が長い人も多いのではないでしょうか? 今回は、そんな花粉症にまつわるウソ・ホントをピックアップ。アレルギー専門医に話を聞き、医学的に探ってみました。

花粉症患者は年々増加中!? 外出の機会が少なくても、対策は万全に

花粉症の症状を引き起こす植物は、人によってさまざまです。代表的なスギ花粉なら、春先にピークを迎え、5月頃まで症状が続きます。もちろん、気を付けたいのはスギだけではありません。ハンノキ・ヒノキ・ブタクサなども花粉症を起こすとしてよく知られています。地域などにもよりますが、夏場に多いイネ花粉もあり、ほぼ一年中、何らかの花粉が飛散しているのです。

原因となる花粉にさらされる機会が増えるほど、症状もつらくなるもの。外出の機会が減って症状が軽い人もいるかもしれませんが、安心せずに対策はしっかり行うようにしましょう。

東京都健康安全研究センター「花粉症一口メモ 平成30年版」

これって正しい対策? 花粉症に関するウソ・ホント

多くの人が悩む花粉症に関しては、真偽のつきかねるウワサも多く聞こえてきます。あの食べ物は本当に効果があるの? 遺伝と症状の関係は? そんな気になるウワサを医学的に追求してみたのでご紹介しましょう。ただし、花粉症の症状や効果などは個人差があるもの。一概に言い切れないので、参考としてご一読ください。

Q1 花粉症にはヨーグルトがいいってホント?

A ○ 症状を軽くする乳酸菌も存在します

部の乳酸菌には、免疫のバランスを整える働きがあり、花粉症の症状軽減に活用するための研究も進んでいます。
花粉症は免疫のバランスの乱れにより、花粉に対して免疫が過剰に反応して、体に症状が引き起こされる状態なので、免疫バランスを整えることが症状軽減に役立ちます。ただし、人によって合う乳酸菌は異なるので、色々な種類を試してみるのもよいですね。

Q2 トマトを食べるといいってホント?

A × 食物アレルギーの症状を起こすことも

スギ花粉症の人がトマトを食べると、のどの不快感、痛み、唇の腫れ、ピリピリ感が出てくることがあります。
これは「花粉-食物アレルギー症候群」または「口腔アレルギー症候群」と呼ばれ、トマトに含まれるアレルゲンと、スギ花粉のアレルゲンが構造的に似ていて、口腔内でアレルギー反応を起こしてしまうこと(交差反応)が原因。この理由から、スギ花粉症の人にトマトはおすすめできません。ただし、トマトを加工したものなら症状が出にくいこともあるほか、症状自体が出ない人もいるので、摂取できるなら避けなくても大丈夫。

Q3 マスクやメガネ、ホントに効果があるの?

A ○ 体内へ侵入する花粉の量を減らす効果アリ

花粉が多く飛散しているとき、マスクを着用することで吸い込む花粉の量がおよそ3分の1から6分の1に減り、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。
同じようにメガネも、着用すれば目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことが可能。体内へ侵入する花粉の量を減らすと症状が軽減する可能性があるため、どちらも○と言えます。花粉はウイルスなどより粒子が大きいので、マスクの素材による違いは見られません。マスクと顔の隙間が少ない方が症状は出にくいので、ゴムのツケ口を外側にするのは1つの対策方法と言えるでしょう。

Q4 ストレスが花粉症の症状を悪化させるってホント?

A ○ 自律神経や免疫バランスの乱れが悪化の要因に

自律神経が乱れたり、免疫のバランスが崩れたりすると、少しの花粉に対しても過剰に反応してしまう可能性があります。
そのため自律神経や免疫に大きく関わるストレスも、花粉症の症状を左右する要因。症状の悪化がさらなるストレスにつながり、悪循環に陥る可能性もあるので、できるだけため込まないようにしましょう。

Q5 都会は、花粉症になりやすいってホント?

A × 発症に関わるのはコンクリートの量より花粉の量

一般的にコンクリートが多く緑の少ない都会と山が多い地方では、地方の方が発症する人が多いと言われています。
アレルギーになりやすいのは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に今までどれだけさらされてきたかです。たとえばスギ花粉症なら、飛散してくる距離内にある周りのスギ林の面積が影響すると考えられ、その面積が広いほどスギ花粉の量も増えることになり、スギ花粉症を発症しやすくなります。スギは風媒花ですからスギの面積だけでなく、風の流れによっては、飛散量が多くなることがあります。

Q6 許容量がいっぱいになると花粉症を発症するってホント?

A ○ ただし、発症の有無には遺伝と環境も関係します

私たちの体は、体内に侵入した花粉を異物と認識し、身を守るために抗体をつくり出します。
この抗体が蓄積されるにつれ、花粉症を発症する可能性も高まっていくもの。年齢を重ねると花粉症の有病率が上昇するのもこれが理由と考えられるため、「花粉の許容量を超えたから発症した」と言い換えることもできるでしょう。

ただし、花粉症になるかどうかは遺伝と環境に左右されるのも事実。親が花粉症であれば、100%遺伝するわけではありませんが、子どもが発症するリスクは高まりますし、スギ花粉の多い地域に住んでいればスギ花粉症になる可能性も高まると言えます。

Q7 花粉症は完治しないってホント?

A △ 可能性はゼロではないけれど、今後の治療で治っていくかも

加齢によって花粉症の有病率が増える一方で、実は花粉症が治るケースもあります。
これは、免疫力が低下することでアレルギー反応が弱まる可能性もあるため。とは言え、すべての人に当てはまるわけではないので、完全に治るとは言えません。

近年は少量のアレルゲンをあえて体内に入れることで体質改善を目指す「舌下免疫療法」や「皮下注射」による免疫療法もありますが、まだ最近のことで治療にも数年かかります。治療を終えて治ったと思っても、10年後、20年後にどうなるかは十分な検証ができていないため、完全に治癒するかの判断はこれからと言えるでしょう。

症状が出るシーズンでも、できるだけ心地よく過ごすには?

花粉症対策としてできることは、「自分の周りの花粉を減らす」「花粉の体内への侵入を防ぐ」「アレルギー体質の改善」の3点。とは言え、花粉症が治りにくいことを考えると、3つめ以外のことを実践するのが現実的です。屋内の花粉を減らすために念入りに掃除をする、空気清浄機を活用するといったことのほか、帰宅時に衣類に付着した花粉を振り払って、家の中まで持ち込まないことも必要。また、体内への花粉の侵入を防ぐには、マスクやメガネ、ゴーグルなどの着用も大切です。

このほか、花粉症の人にとって症状を悪化させるストレスは大敵。ストレスがかからないよう、バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠を心掛け、規則正しい生活を送りましょう。

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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