from ハウス

  • 健康

休んでいても疲れてしまう。それ、もしかしたら「脳疲労」かも?

休んでいても疲れてしまう。それ、もしかしたら「脳疲労」かも?

仕事や子育てで毎日忙しく「何となくやる気が出ず疲れている」「休んでも疲れがとれない」という不調がある方もいるのではないでしょうか?実は年齢や体力のせいではなく「脳疲労」も影響しているかもしれません。さまざまな疲労感は体だけでなく脳が原因との研究もあり、「脳疲労」が注目されています。ここではどうすれば脳をしっかり休められるのかご紹介します。

集中できない、やる気が出ないのは「脳が疲れた」せいかも?

私たちが疲れを感じた時、大抵の場合は日々の忙しさや運動のしすぎなど、体をたくさん動かしたこと、慣れない動きをしたことなどが原因で、疲れたと思うでしょう。しかし、最近ではストレスによって脳の自律神経が疲れることが、全身の疲労感につながるといった研究も報告されています。そもそも脳は多量のカロリーを必要とする器官。つまり体が疲れたと感じる原因は、脳の疲れにあるケースも考えられるのです。

では、休日にゆっくり体を休めたはずなのに、あまり疲れがとれなかった、翌日も何だかやる気が出ない、と感じるケースはどうなのでしょうか?これは、「私たちが何もせず、ぼんやりしている時でも、脳がたくさん働いている」ことの影響といわれています。

何もしてないのに脳は働いている?

ぼんやりしている状態でも、脳内にいくつかの活発になる領域があることは、アメリカの神経学者マーカス・レイクル教授が「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と名づけたことで、広く知られるようになりました。以前は、人間がぼんやりしている時は脳の活動も活発でないと思われていましたが、実際には脳内のネットワーク=DMNが活性化され、脳の消費エネルギーのかなりの部分を使っていることが分かってきたのです。

DMNには蓄積した情報を整理するなど大切な役割がある一方、本人はぼんやりしているつもりでも、脳はDMNを通じて活発に活動している可能性があり、これが過剰に働き続けると、「休んだのに疲れがとれない」「やる気が出ない」「物事に集中できない」「イライラしやすい」といった「脳疲労」の状態になると考えられています。

「何もしていないとかえって疲れる」と感じる人は、こうした脳疲労が続いているのかもしれません。

DMNによる脳の疲れを減らす、毎日の過ごし方

では、DMNの過剰な働きをうまくコントロールして、脳の疲れを減らすにはどうしたらよいのでしょうか。

実際にDMNが脳疲労にどの程度関わっているのか、そのレベルにはかなり個人差があると考えられ、「これならすべての人に効果がある」というやり方は、すぐには見つからないかもしれません。しかし、DMNが過剰に働きやすい状況を避けることは、脳疲労を減らすことにつながると思われます。

例えば、目を閉じている時でも、何か1点に気持ちを集中させる「瞑想」のような状態、脳が無意識に雑念を処理しない状態が続けば、DMNが働くスイッチは入りづらく、目を閉じて、ただぼんやりしていたり、漫然ととりとめのないことを考えているような状態だとDMNにスイッチが入るといった可能性は高いといわれています。前者のような過ごし方なら脳疲労を避けやすくなるでしょう。

また、スマホなど便利なツールから大量の情報が入ってくると、脳は処理すべきことと考えるとされています。家にいるとついぼんやりとスマホでネットを見てしまうという人は、しばらく外に散歩に出かけたり、誰かとコミュニケーションしたりと、DMNが働き過ぎないよう時間の使い方を工夫してみましょう。

特に誰かと話すことは、気持ちを楽にする方法の一つです。何かつらいことがあった時でも、それについて誰かと話すことで気が休まった経験は多くの人が持っているはず。このように会話はストレスを減らし、脳の疲れの原因を減らすことにつながるでしょう。

DMNによる脳の疲れと、食事には関係があるの?

また、疲れたから、リラックスしたいから、とチョコレートやアイスクリームなど甘いものを食べる時も、食べるタイミングや食べ方には注意しましょう。

一般的に甘いものは消化されてブドウ糖に変化しますが、その大きな役割は脳のエネルギー源になること。このため、就寝前や休憩する前に甘いものを食べると、DMNが活性化しやすいタイミングで大量のエネルギー源が用意されたことになり、DMNの働きがより活発になることが予測されます。

食べ方も、休日や夜にネットの画面を見ながら、だらだらと甘いものを食べ続けるのはよくありません。DMNの活性化を招くだけでなく、肥満の原因にもなるからです。そして肥満になった人は、そうでない人よりDMNが活発に働きやすいといった研究結果もあるようです。

もちろん、食べ物を口に入れたからといって、必ずDMNが活性化するわけではありません。目を閉じてぼんやりと過ごすなど、DMNが過剰に働きやすい状況になっていることが前提です。

こうしてDMNの活性化を抑える以外に、日々の暮らしの中で脳が受けているストレスを減らすのも脳を疲れにくくする方法です。

仕事や対人関係のストレスのほか、先ほどもお伝えしましたがスマホやPC、さまざまなツールから過剰の情報が入ってくることも、脳にとっては大きなストレスと考えられています。ずっと使い続けるのではなく、しばらく使わない時間を作るなど、上手なつき合い方を考えるのも脳疲労をおさえることにつながるのかもしれません。

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

関連記事

 
  • 食育

<野菜ソムリエが伝授> 思春期の体調管理や集中力アップにおすすめの ”野菜のチカラ”で新学期に備えよう!

毎日何気なく食べている野菜にはさまざまなチカラがあることを知っていますか。野菜が苦手な子どもも多いですが、勉強やスポーツへの集中力をアップしてくれるなど、中高生にとって大切な栄養を多く含んでいますので、毎日たっぷり摂りたいですね。野菜ソムリエPro.として日本野菜ソムリエ協会認定料理教室を主宰し、高校生と春から中学生の子どもを持つお母さんでもある安部加代子さんに、“野菜のチカラ”や、“子どもにおいしく野菜を食べさせるコツ”などについて伺いました。

 
  • 食材

カルシウムだけじゃない!日本乳業協会に聞いた「牛乳」の歴史や魅力とは

私たちが日頃飲んでいる「牛乳」。日本ではいつから飲み始められたか知っていますか?牛乳の歴史は諸説ありますが、約1万年前に始まり、日本でも飛鳥時代には飲まれていたとされています。カルシウムやたんぱく質、ビタミンなどをバランスよく含み、高い栄養価を持つ牛乳は、当時は薬とされ、大変貴重なものでした。日本で牛乳が広まった歴史や、生産量の移り変わり、そして目的に合わせたおすすめの飲み方について、牛乳をよく知る専門家、一般社団法人日本乳業協会にお話を伺いました。

 
  • 食育

子どもが嫌いな野菜の5つの特徴と野菜が美味しく食べられる料理のコツ!

「うちの子、今日もまったく野菜を食べてくれなくて…」「どうしたら野菜を食べてくれるんだろう…」。野菜が苦手で食べようとしない子どもに、悩んでいるパパやママは多いことでしょう。ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれている野菜は、子どもの健やかな成長のためにも不可欠と言えます。また、野菜不足は代謝や免疫力の低下、便秘など、さまざまな症状の原因になりやすいため、何とか克服したいものです。そこで今回は、子どもが嫌がる野菜の特徴と、子どもが野菜を少しでも喜んで食べてくれる料理のコツについてお伝えします。


その他の記事

 
  • 開発ストーリー

「秋ウコン」の意外なチカラとは?!人気製品の開発秘話インタビュー!

みなさん、ウコンと言えば、会食やパーティーなどのシーンで飲むイメージが強いのではないでしょうか?今回はそのウコンが持つ、意外なチカラに着目した2つのサプリ「クルビサ」と「ゴールデンヴェール」の開発者のお二人にお話を聞いてみました。

 
  • サステナ

中学一年の生徒さんたちが「給食の食品ロスを減らすアイディア」を考えました!ハウス食品グループの地域との取り組み

ハウス食品グループでは毎年、東京本社が所在する千代田区の九段中等教育学校さまの、第一学年「総合的な学習の時間『地域を知る~企業訪問』」に協力しています。この授業は、キャリア教育や社会性の育成を目的に、生徒さんが千代田区内の企業・事業者を訪ね、そこで出された課題に対して解決策を提案するというユニークなもの。ハウス食品グループはこの趣旨に賛同し、共に学ぶ気持ちで取り組みを継続しています。今回は、九段中等教育学校の1年生5名の生徒さんたちがハウス食品グループ本社CSR部の神宮字 慎さんを訪問し、食品ロスについて学習、ハウス食品グループの食品ロス削減の取り組みについて説明を受けました。そして、提示された課題「自分たちの学校の給食の食品ロスを減らす方法」について約3ヶ月かけて考え、プレゼンしてくれました。

 
  • レシピ

「カモンハウス」会員の皆さまのアイディアレシピも盛りだくさん。フルーチェアレンジで楽しく牛乳を使おう!

1976年にハウス食品から発売されたフルーチェ。火を使わず、親子はもちろん、お子さま一人でも安心して作ることができるデザートを届けたいという思いから生まれました。フルーチェと牛乳があればすぐできる手軽さで、幅広い世代に親しまれています。 一方、近年、日本ではペットボトル飲料の増加などで牛乳の消費量は減少傾向にあります。また、冬はあまり牛乳が飲まれない上、コロナ禍による休校や、業務用需要の停滞もあり、牛乳消費量の減少は社会問題にもなっています。しかし牛乳は栄養価の高い食品。今回は「カモンハウス」会員の皆さまから「トークのお部屋」に寄せられた2,000件近い投稿をもとにしたフルーチェアレンジをご紹介。手軽に作れるフルーチェでもっと牛乳を使ってみませんか?ぜひ、参考にしてみてください。

 
  • 想い出

【コメントを漫画化】ほっこりエピソードがたくさん!ハウス食品カレーの想い出

カレーは子どもから大人まで大好きなメニューのひとつ。朝も昼も夜も、食卓や給食、キャンプ場など、いつどこで食べても美味しく、カレーがあるだけで不思議と楽しい時間になりませんか。ハウス食品では、1926年に「ホームカレー」を発売。以来、数多くの商品を開発し、たくさんの方に笑顔を届けてきました。今回は、ハウス食品グループ製品の想い出をお伺いしたトークのお部屋からカレーに関するエピソードを集め、漫画化しました。

 
  • スパイス

【管理栄養士監修】心とからだを癒やす“スパイスティー”で充実したリラックスタイムを

最近注目を集めている“スパイスティー”。スパイシーで甘い香りは、リラックスタイムにぴったりなだけではなく、体調を崩しやすい季節の変わり目にもおすすめのドリンクです。この記事では、各スパイスの香りの特徴を解説しながら、おうちで簡単にできる“スパイスティー”のアレンジレシピをご紹介します。