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工場見学で分かった!マロニーができるまで&美味しさのヒミツ

工場見学で分かった!マロニーができるまで&美味しさのヒミツ

みんな大好き「マロニー」。お鍋をはじめ、いろんな食べ方で愛されているマロニーですが、そもそもどうやって作られているのか、ご存知の方は少ないのでは? そこで知られざるマロニーの製造工程を、一般公開されていない工場に潜入して大調査! さらにマロニーの秘密や美味しい食べ方について、マロニーちゃん&マロニー社の方々に話を聞いてみました。

マロニー「信州伊那工場」で、マロニーちゃんと出会った

(「信州伊那工場」と、工場から見える南アルプスと中央アルプスの山々)

今回やってきたのは、長野県にある、マロニー株式会社の「信州伊那工場」。南アルプスの雄大な風景にマロニー社の会長さんが惚れ込み、大阪、浜松、九州飯塚に続く4番目の工場として2011年に操業を開始したそうです。

マロニーちゃん

マロニーちゃん(以下、マロ)「ようこそマロ♪ 今日は私が工場を案内するからなんでも聞いてニー!」

では、せっかくなので工場見学の前にひとつ教えてもらいましょう。マロニーは、なぜマロニーって名前なの?

マロニーちゃん

マロ「マ……マロ?(知らないニー!)」

マロニー社の野上さん

マロニー社の野上さん「それでは、私がご説明しましょう。1964年(昭和39年)、家庭で美味しく食べられる『溶けないはるさめ』として、マロニーが誕生しました。従来のはるさめとは違うものができあがったから、社内で新しい名前を公募したときに選ばれたのが『マロニー』という名前。『まろやかに煮える』というイメージを持ってもらいたいという願いがあったと言われています。当時、カタカナの名前はハイカラなイメージだったんです」

マロニーちゃん

マロ「そういうことマロ♪ では、早速工場の中を案内していくニー!」

原料は澱粉(でんぷん)と水だけ! 他のものは使わないから「特定原材料27品目不使用」

マロニーちゃん

マロ「マロニーの主原料は、北海道産の『じゃがいも澱粉』マロ♪ さらにコーンスターチ(トウモロコシ澱粉)と水を加えたら、がんばって撹拌(かくはん)するんだニー!」

なんと、マロニーはたったそれだけの材料で作られているんですね。

マロニー社の野上さん

野上さん「他の原料は使っていないから、マロニーは『特定原材料27品目不使用』、つまりアレルギーが気になる方でも、安心して食べてもらえるんですよ。関西では昔から学校給食にも使われていますし、赤ちゃんの離乳食やご高齢の方の食事にも愛用されているんです。
ちなみに開発されたばかりの頃のマロニーの原料は、今と少し違って緑豆澱粉にじゃがいも澱粉を加えたものでした。マロニー社がもやしの製造業だったこともあって、『マロニーちゃん』の頭には緑豆の葉っぱがついています」

マロニーちゃん

マロ「そう、私の頭には緑豆の葉っぱが生えているのだマロ♪ みんな気づいていたかニー?」

マロニーの美味しさの「秘密」が詰まった「糊化室」とは……⁉

丁寧に撹拌され「乳化」した状態になった原料は、隣の「糊化室」(こかしつ)で独自の方法により、熱を加えて蒸されます。どうやら、この部屋の中にマロニーがマロニーになるためのスゴい秘密があるようなのですが……。

マロニーちゃん

マロ「ごめんなさいマロ♪ この部屋の中は、ちょっとお見せできないんだニー!」

では、ちょっとだけ先に進みましょう。

マロニーちゃん

マロ「原料を蒸して『糊化』(こか)させたら、この左右の冷却器で冷やすんだマロ♪ ここまでの過程でできる気泡が『つるつるした食感と味付きの良さ』を両立させているんだニー!」

なるほど、マロニーの味つきの良さの理由は「気泡」だったんですね! ところで、マロニーをお鍋で食べる際は、どのタイミングで入れてどのくらい煮込むのがベストなんでしょうか。

マロニー社の野上さん

野上さん「乾燥マロニーは、おだしと具材が煮立った頃に入れると、具材の旨味をぎゅっと吸ってくれるので、このタイミングが一番美味しいと思います。すきやきなど、味が濃いお鍋に入れるときは、一度マロニーを煮戻し、もしくは水戻ししてから入れたほうがいいですね。そうすると味が控えめに入るので、ちょうど美味しく食べられますよ」

ゆで時間は、パッケージを見ると標準タイプは5~6分、太麺タイプは8分と書いてありますが、きちんと守ったほうがいいんですか?

マロニー社の野上さん

野上さん「ゆで時間はあくまでも目安。15分くらいまでは煮崩れしにくいから、ご家庭のタイミングでいいですよ。硬めが好きな人は早めに食べても、柔らかめが好きな人は長時間煮込んでもオッケー。ちなみに、九州の工場長は”バリカタ”が好みなんだそうです(笑)」

まずは生の「マロニー」ができあがり!生と乾燥の違いって何?

マロニーちゃん

マロ「冷やしたあとは、麺線機で麺状にするマロ♪ ほら、見ての通りマロニーになってるニー!」

この状態は、いわゆる「生」。そう、このまま生パックすれば、市販もされている「生マロニー」になるんです(※信州伊那工場では「生マロニー」の生産は行っていません)。さらに生のマロニーを乾燥したものが、「乾燥マロニー」になります。つまり、生マロニーと乾燥マロニーってほとんど同じってこと?

マロニー社の野上さん

野上さん「その通り! 材料も製法も同じで、このまま出荷するか、一度乾燥させるか、という差だけなんです。でも、食べるときには『食感』に違いが出るんですよ。生マロニーはもちもちプリプリ、乾燥マロニーはつるつるシコシコを楽しんでいただけます。
それから、生マロニーと乾燥マロニーの違いがもうひとつ。それは賞味期限。生マロニーは冷蔵で90日。一方、乾燥マロニーは常温で3年保存しても大丈夫なんです」

マロニーちゃん

マロ「ここでマロニー豆知識! 麺線機に入れるときに、ちょっとだけ商品にならない切れ端が出ることがあるんだマロ♪ それは近所の牛さんのごはんになってるんだニー!」

長期保存可能な「乾燥マロニー」に!

マロニーちゃん

マロ「この乾燥機の中で、ボワ~ンと30分くらい乾燥させるんだマロ♪ ここで乾燥マロニーになるんだニー!」

ところで、生マロニーと乾燥マロニーの違いを先ほど教えてもらいましたが、はるさめやしらたき、ビーフン、フォーなど、見た目や食感、使われ方が似ている他の食品とマロニーとはどう違うのでしょうか。

マロニー社の野上さん

野上さん「ビーフンやフォーは、米粉から作られている麺。味はあっさりしていて、はるさめに比べて少し弾力が劣るものの、歯切れのいい食感が特徴です。東南アジアのエスニック料理、特にスープや炒めものに使われていますね。しらたきは、こんにゃく芋から作られているもの。独特の匂いがあって、味がつきにくいから、すきやきや肉じゃが、おでんなど、火力が強い煮物によく使われますね。
マロニーは、はるさめよりもコシが強くて弾力があります。そして、長時間煮込んでも煮崩れしにくいし、味しみがいいから、全体的に何にでも合うと思いますよ。歯ごたえがあるので、焼きそばなどの麺料理にも使えるんです」

美味しさと表裏一体!マロニーの仕上げに人の手が必要なワケ

さて、ここからは人間の出番。商品サイズにカットされた乾燥マロニーを整えて箱に詰めていきます。

マロニーちゃん

マロ「できあがったマロニーは気泡で断面がザラザラしているから、機械ではうまく整えられないんだマロ♪ だから、人間の手でトントントンって丁寧に揃えているんだニー!」

美味しさの理由である「気泡」があるから、この工程では手作業が必要になるんですね。ところで、カットする段階でマロニーの長さが決まっていきますが、短くカットされたショートタイプと、少し長くカットされた通常のマロニー、どう使い分けたらいいですか?

マロニー社の野上さん

野上さん「ショートサイズは具材を絡めて食べやすいようにしたもの。ゆでてから、サラダや酢の物に使うといいですね。長いタイプはお鍋に使ってください」

人間の手で揃えられた乾燥マロニー。実はここから先にもちょっとだけ秘密が。

マロニーちゃん

マロ「このまま2日間熟成させるマロ♪ 実は乾燥機から出てきたばかりのマロニーはポキポキっとすぐに折れちゃう状態なんだニー! でも、熟成している間にほどよく水分が戻ることで、曲げても折れなくなるマロ♪ 強いマロニーになるんだニー!」

市販の乾燥マロニーの折れないしなやかさを不思議に思っていた方も多いかもしれませんが、なんとそんな秘密があったんですね!

夏も冬も変わらず動き続けるマロニー工場

マロニーちゃん

マロ「小分けして計量する工程も、やっぱり機械ではできないんだマロ♪ マロニーをきちんと皆様の元に届けるには、人の手がベストなんだニー!」

ちなみに、マロニーの消費量が多くなるのはやっぱりお鍋のシーズン・冬。でも、マロニーの製造自体は夏も冬もペースを変えず、こうして作り続けているそうです。

マロニー社の野上さん

野上さん「この信州伊那工場だけで、年間900~1000トン、他の工場とあわせると、年間約3000トンの乾燥マロニーが作られているんですよ」

マロニーちゃん

マロ「最後に袋詰めマロ♪ ここまでくれば、機械がやってくれるんだニー♪」

マロニーちゃん

マロ「箱詰めされたマロ♪ これから皆さんのところに運ばれていくんだニー♪」

鍋だけじゃなかった!愛されマロニーの多彩で美味しいレシピ

マロニーちゃん

マロ「みんなもマロニーのこと、たくさん知ってくれたかマロ? 最後にお鍋以外のマロニーを使ったレシピを、マロニー社のレシピ担当福田さんに教えてもらうニー!」

マロニー社の福田さん

福田さん「では、ここからは私の出番! 美味しいマロニーレシピを教えますね。 私の一番のおすすめはマロニーの春巻き! マロニーをゆでて、塩とかつおだしでシンプルな味付けにして、それを春巻きの皮で巻いて揚げます。食感がたまらないんですよ!

釜玉うどんみたいに生卵とだししょうゆでシンプルに食べるのもおすすめ。
ゆでた後のマロニーは100g当たり70~90Kcalなので、ごはんや小麦麺と比べてもカロリーが低く、ヘルシーに食べられますよ。
※乾燥マロニー20~25gをゆでると約100gになります。
※100gで比較「日本食品標準成分表2015年度版(七訂)」

ゆでるだけじゃなくて、素揚げしてパフ状になったものにカレー粉をかけてスナック風にしたり、揚げたマロニーの上に中華風あんや肉味噌をかけたりするのも美味しいですよ。
ちなみに、関西ではマロニーをナポリタンにした学校給食のメニューがあるんです!スパゲッティ以外に、焼きそばの麺にするのもおすすめ!

お鍋以外にもいろんな応用が効くから、ぜひ試してみてくださいね」

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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