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子どもの野菜嫌いを克服する方法

子どもの野菜嫌いを克服する方法

小さいお子さんを持つご家庭にありがちな悩みといえば、子どもが野菜を食べないこと。今回は、子育ての中で大きな壁となる「野菜嫌い」を克服する方法について、考えてみましょう。

なんで子どもたちは野菜を食べないの?

子どもたちが野菜を苦手だと感じる大きな理由のひとつは、その「味のわかりにくさ」にあります。

わかりやすい甘みや旨味を感じられるものを好む一方、酸っぱい、苦い、渋いといった本能的に避けがちなものや、噛めば噛むほどおいしさが出るような「大人の味」、つまりわかりにくい食べものは、すぐには好きになれない傾向があるんです。

このほかにも、見た目や食感、独特のにおいなども、子どもたちが野菜を食べてくれない理由として挙げられます。

味覚は食の経験をつむことで成長するので、酸っぱいものや苦いものでも食べられるようになっていきますが、とはいえ、自分のお子さんが野菜を食べてくれないと、栄養バランスや今後の成長が心配になるもの。

野菜には身体に必要な栄養が含まれていることは皆さんご存知の通り。さらに野菜ジュースやスムージーではなく野菜そのものを食べることで、「噛む」習慣をつけることも重要な役割といえます。

子どもの野菜嫌いを克服する方法

それでは、子どもの野菜嫌いを克服し食べさせるためには、具体的にどんなことを心がければ良いのでしょうか。よく知られた方法から、発達心理学の考え方を取り入れたものまで、いくつかご紹介します。

①野菜の調理方法を工夫する

嫌いになりすぎて見るだけでも拒否してしまうときは、野菜をすりおろしたり、細かく刻む、油で揚げるなど見た目を変える、といったテクニックも知られていますね。

すりおろしたり、細かく刻んだりすれば、見た目の抵抗がなくなります。カレーやハンバーグなど、お子さんが好きなメニューに混ぜこんでしまえば、野菜だとわからないだけではなく、料理の風味が増して美味しく感じられることもありますね。苦みや辛みがあるなど、味に苦手意識がある野菜は、加熱調理して甘みを引き立たせるのも方法の一つ。たとえば衣をつけて揚げれば見た目も食感も野菜ということが気にならず、食べやすくなります。

見た目を変えて食べさせても意味がないのでは、と思う方もいるかもしれませんが、幼児期には「食事」というものを「楽しい」という単一的な理解に結びつけることを目指せば大丈夫。さらに児童期に「野菜=身体によい=食べたほうがよい」「好き嫌い=ないほうがいい=健全な大人になる」といった、一歩先の複合的理解を促す土台を作ることになります。

②野菜を食べる空間や、人数、形などを変える

外食の際や旅行中に、お子さんが普段よりたくさん食べた、といった経験がある方も多いのでは。食事の環境が変われば、それが刺激になり苦手なものでも食べられることがあります。

たとえば、いつものダイニングテーブルではなく、お庭でピクニック風にするなど、食事をとる場所を変えるのもよいでしょう。また、毎回家族だけで食べるのではなく、ときには祖父母や友人、さらにもっと大勢のパーティなど、食卓を囲む人数に変化をつける方法も有効。

毎回同じようにお皿の上に並べるのではなく、見た目にきれいな盛り付けにしたり、食器の色・形を変えてみる、テーブルクロスやランチョンマットを変える、といった変化も効果があるといえます。お箸だけでなくナイフやフォークを使う、手巻きパーティのように自分で調理に参加する方法を取り入れるなど、食べ方を変えるのもよいですね。

③食の経験をつむ

幼い頃からいろいろな味に触れる豊かな食経験をしている子ほど、好き嫌いが少なくなる傾向もあります。

野菜には季節ごとの旬があり、味や香りも種類が多いので、いろいろな種類の野菜を、様々な調理法で食べる積み重ねが、将来的に好き嫌いを作らないきっかけにつながるともいえます。

自分で野菜を収穫したり、調理のお手伝いをする体験によって食べられるようになることもあります。

④「お手伝い」で自己肯定感を高めるかかわりを設定する

野菜に対してポジティブなイメージを持ってもらうことも大切。一緒にお買い物したり、料理を一緒にするなど、年齢にあった方法で楽しくお手伝いをさせて、野菜と触れ合う回数を増やし、自然と野菜に興味を持たせるのも方法の一つです。

お手伝いに課題を設定し、成功体験を味わえるようにすることで、子どもたちは一生懸命頑張れる自分を知覚します。「上手にできたね」とポジティブな声がけをしていくことで、役割を与えられたことによる自信が、好き嫌いの克服にもつながります。

⑤発達心理学を取り入れる

接する機会が増えれば増えるほど、その対象に好感を持つ、「単純接触効果」という心理効果があります。

たとえば、あまり食べたことがないけど、なんとなく嫌いという野菜があれば、食卓に上る機会をできるだけ増やしていきましょう。その野菜を目にする回数が増えるほどに、嫌いなイメージの度合いは薄れていきます。

また、「同調効果」もよく知られています。これは、大人が目の前で「おいしいね」と食べていれば、子どもも真似をして食べるようになるというもの。大人がおいしく食べるお手本を見せてあげて、野菜に対して前向きな印象を与えることも重要なのです。

子どもと一緒に、大人もおいしく野菜を楽しもう

やってはいけないのは「○○にいいから野菜を食べなさい」と言いすぎること。叱られるようにして食べても、子どもたちは食事や野菜にポジティブなイメージを持てません。また、「健康にいいから」「頭がよくなるから」などといわれても、子どもたち自身にはあまり伝わらないものです。

先ほどもお伝えしたように、大人が前向きな気持ちでおいしく食べることが、とても大切。まずはポジティブな気持ちで子どもたちの「野菜嫌い」と向きあってみませんか?

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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