スーパーに並んだ野菜を選ぶとき、どのように選んでいますか?なんとなく親から教わった人もいるかもしれませんが、「これが旬のいい野菜!」と自信をもって選べている人は少ないかもしれません。今回は野菜を知り尽くした八百屋「瑞花」の伊藤香織さんに野菜の目利き術を教えていただきました。
おいしい「白菜」を見分ける方法
白菜を見分けるときは、以下の4つの点に注目して見てみましょう。
●白菜の「芯」
白菜の芯が大きすぎず、500円玉大の軸が中心にあるものがいいとされています。栄養をほどよく吸収し、自然な速度で育った証拠です。
●白菜の「重み」
ずっしりと重たいものを選んでください。しっかりと葉が巻いている証拠です。
●白菜の「葉」
葉っぱの葉脈が左右対称できれいなものがいいです。白い部分は二等辺三角形で、こちらもきれいな左右対称のものがいいでしょう。
●白菜の「隙間」
カットされている白菜に言えることですが、葉の間に隙間がなくしっかりと詰まっているものを選んでください。
「だいたいの野菜は、ずっしりと重みを感じるものがいいとされています。例外はレタス。レタスの場合はふんわりと葉が巻いていたほうが柔らかくおいしいです。白菜の葉は濃い緑色のものよりも、淡いほうがおすすめです。肥料が多いと緑色が濃くなりがちなので、味にも雑味を感じられるようになります」
保存方法と旬の白菜を最大限に楽しむ方法
買ってきた白菜はどのように保存するのがよいのでしょうか。
「白菜はとても持ちがいい野菜。冬場であれば、まるごとの状態で新聞紙にくるみ、冷暗所や段ボールに入れて置くと1ヶ月は持ちます。すぐに料理に使う場合は、スーパーで買った時のビニールは取り、新聞紙やキッチンペーパーにくるんで冷蔵庫で保存してください。また、1/2や1/4などにカットされた状態の白菜は、買ってきてすぐに、芯の部分に深く切れ込みを入れるのがポイント。そうすることで葉の成長が止まるので、鮮度が保たれます。
また少しひと手間をかけるとしたら、天日干しをするのもおすすめ。ベランダなどの風通しのよい場所で、ざるに広げて半日ほど置いておくと、水分が抜けて味がギュッと凝縮し、甘味が増します。天日干しをした白菜は、どんな料理に使ってもおいしいですよ」
野菜は、“旬”のなかでも、さらに「走り(はしり)」「盛り(さかり)」「名残(なごり)」と時期が分けられます。
白菜の場合、12月が「走り」、1月が「盛り」、2月が「名残」にあたります。
「走りの時期の白菜は、みずみずしく柔らかいのが特徴。しいたけなどと一緒に白みそで軽く炒めたり、生でサラダに使うのもおすすめです。
盛り、名残の白菜は、葉が厚く筋張ってきます。火をじっくり入れると甘くトロッとした食感になるので、スープなどに適しています。
また、白菜は季節ごともいいですが、部位ごとに使い分けるのもおすすめ。外の葉は硬く、内側になるほど若く柔らかくなるという白菜の特徴を活かして、外の4,5枚は炒め物で少しのほろ苦さを楽しむ、中間は鍋に、芯に近い部分は生でいただいたりナムルに活用したりと、幅広く楽しんでみてくださいね」
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執筆者プロフィール
伊藤 香織さん
神楽坂にある八百屋「瑞花」の仕入れ担当として、農家の方たちからの仕入れ商品の選定を行う。
神楽坂にある八百屋「瑞花(すいか)」は、自然栽培や有機栽培のものを中心に、野菜の“旬”にこだわって常時新鮮な野菜だけをセレクトしているお店です。
「おいしさは見た目で分かる」と話すのは野菜の仕入れを担当する伊藤香織さん。食べただけで、大体どのような種類の肥料を使っているかが分かるというのは驚きです。素材がおいしければ、料理の腕も格段にアップするはず。野菜の目利きを学んで、今日から食卓に活かしましょう!
「瑞花」の仕入れ担当の伊藤香織さん(左)とスタッフマネージャーの大竹昴さん(右)
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