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日本の「野菜室」はここまで進化していた!家電のプロが語る冷蔵庫の選び方(前編)

日本の「野菜室」はここまで進化していた!家電のプロが語る冷蔵庫の選び方(前編)

皆さんのご家庭では、冷蔵庫の「野菜室」をどう使っていますか?意外と知らない野菜室と冷蔵室の違いや、冷蔵庫に入れる野菜・入れない野菜の区別など、冷蔵庫と野菜にまつわる基礎知識を、家電コーディネーターの戸井田さんに聞いてみました。

そもそも「野菜室」ってどんなもの?

「野菜室」はその名の通り、野菜を保存するために使われている冷蔵庫の部屋のこと。でも、なぜわざわざ「野菜だけの部屋」があるのでしょうか。

戸井田さん「冷蔵庫と一口に言っても、それぞれの部屋で温度帯が違います。野菜室は、野菜を冷やしすぎないように少し高めの温度(5~7℃ ※メーカー・機種により差があります)に設定されていて、さらに湿度を高く保つことで野菜の鮮度を維持するために最適な状態になっているんです」

海外メーカーの冷蔵庫の場合、大きな冷蔵室の中に野菜用のケース(野菜ゾーン)があることが多いですが、日本メーカーの冷蔵庫は扉割りが多いマルチドアで、野菜も専用の部屋があるのが一般的。その背景には、保存上の理由に加えて、野菜は洗う前の状態で土がついたものもあることから「直接口をつける他の食品とは一緒にしたくない」といった理由もあるのかもしれないと戸井田さんは指摘します。

戸井田さん「10年ほど前に日本のメーカーからも冷蔵室と野菜室を一体型にした冷蔵庫が発売されたんですが、あまり評判が上がらず、特に女性からは疑問視する声もあり、1年で消えてしまったことがありました」

冷蔵庫に入れる野菜・入れない野菜?

野菜の中でも、冷蔵庫に入れる野菜・入れない野菜があることはよく知られていますが、具体的に入れる・入れないの判断はどうすればよいのでしょうか。

戸井田さん「その野菜が収穫される時期や、育った環境の気温を目安にするのが基本です」

たとえば、夏に収穫されるピーマンやきゅうり、なすなどは、本来冷蔵保存には向かない野菜。これらの冷蔵保存に向かない野菜を冷蔵すると、栄養が減少したり、やわらかくなる、色が変わるなどの品質の劣化(低温障害)が起こることがあります。

戸井田さん「でも、切った野菜は別。一度切ってしまうと劣化が進むので、切り口にラップしたり容器に入れるなどして野菜室で保存しましょう」

また、真夏の猛暑の時期に常温のまま置いておくのも不安なもの。そういうときには迷わず野菜室に入れた方がよいようです。

さらに住宅事情の変化も、野菜室で保存するかどうかの判断に影響しているといいます。

戸井田さん「たとえば冬とれる野菜は暖かい場所が苦手です。昔の日本の家だと、土間があったり、勝手口のあたりはひんやりしていたりして、根菜などを保存するのにちょうどよい環境がありました。でも、今の家は冬でも室温が上がっていたり、キッチン自体オープンな日当たりがよい間取りになったりしています。そうなると、じゃがいもなどの根菜も野菜室で保存するのがよいでしょう」

とはいえ、あれもこれもと野菜をストックしすぎて野菜室がいっぱいになったら、どうすればよいでしょうか。

戸井田さん「そういう場合、まず葉野菜から冷蔵室に移しましょう。冷蔵室は野菜室と違い乾燥しやすいため、乾燥しないように袋などに入れてくださいね。実は葉野菜と実野菜、根菜では、それぞれに適した温度が違っています。葉野菜→実野菜→根菜の順に、保存に適した温度が高くなるので、温度がより低くなる冷蔵室に移すのであれば、葉野菜からです」

それぞれに適した温度の差は、厳密にいえば野菜室の中でも葉野菜・実野菜・根菜で温度帯を分けた方がよいくらいなのだとか。ひょっとすると、野菜室は将来そういう進化をとげるかもしれませんね。

「お米」も野菜室へ!?

また、冷蔵庫で保存した方がよいものとして、「お米」も挙げられます。

戸井田さん「お米は袋を開けた瞬間から劣化が進みます。袋を開けたら、すぐ冷蔵庫(野菜室)に入れるとよいでしょう。

ペットボトルに入れて縦に保存するやり方もありますが、2合、3合……と普段よく使う量をはかって、食品保存用袋などに小分けに密封して野菜室で保存する方法がおすすめです。袋を平らにして積めばスペースも無駄になりませんし、炊く前に計量しなくてもすぐに計量済みのお米が取り出せるので、一石二鳥ですよ」

日本の「野菜室」はここまで進化していた!家電のプロが語る冷蔵庫の選び方(後編)

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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