子どもたちの大好きな時間といえば、おやつの時間。しかしおやつは、ただのお楽しみだけではなく、子どもの成長をサポートするという側面もあることをご存じでしょうか?今回は、そんなおやつについて、管理栄養士であり、All About「離乳食・幼児食」ガイドでもある川口由美子さんがアドバイス。おやつの役割や、簡単でおいしいレシピを教えていただきました。
子どもにとって、「おやつ」はどんな役割があるの?
子どもにとって「おやつの役割」は主に2つあるとおっしゃる川口さん。次で紹介する2つの役割をママたちに意識してほしいと言います。
● 補食としての役割
「まだ胃腸が小さく一度に食べる量が少なかったり、食べムラがあったりする幼児期は、1日3回の食事だけでは十分な栄養を蓄えることができません。それを補うのが、おやつの主な役割です。一般的に1回の食事の1/3から1/4の量をおやつで補うことが望ましいとされています」
● 好き嫌い克服の機会
「おやつは子どもの好き嫌いをなくす絶好のチャンス。例えばわが家では、魚が苦手な娘に対し、小さめに切った魚をサッと揚げた“フリット”をカップに入れ、おやつとして置くことがあります。食事のおかずではなかなか手を付けない魚料理も、こうすることでお菓子感覚でパクパク食べてくれるからです。友達と食べられる、箸を使わず手で簡単に食べられる、食事の味付けとはちょっと違うなど、シーンや食べ方が違えば食べてくれることが多々あります。うちの子はアレが嫌いだから……と決めつけずに、好き嫌い克服の機会として活用してみてください」
子どもの「おやつ」には、どんな食材がおすすめ?
では、具体的にどんなものをおやつとして子どもに出してあげれば良いのでしょうか?
「まず、先ほどもお話しした苦手な食材。できるだけ子どもの好き嫌いをなくしたいと願うママは、おやつの機会をぜひ活用してみてください。たとえば、にんじんをすりおろして蒸しパンに入れたり、ほうれん草を細かくしてホットケーキに混ぜてみたり。苦手な野菜をスティックにして、チーズクリームなどのちょっと特別感のあるディップと一緒に出してあげるのもいいですね。形や味付けが普段の食事と違うだけで、気分も変わります。そして食べることができたら、ぜひ『食べられたね!』とほめてあげてください。苦手なものを克服できたという成功体験につながります。おやつの楽しい雰囲気を活かして、工夫してみてください。
また、3回の食事の中で摂りにくい食材や栄養素もおすすめです。平成24年国民健康・栄養調査によると、1-6歳のカルシウム摂取量が推奨値に足りていないというデータがあります(※)。カルシウムは牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれていますので、意識的に摂るといいでしょう。
ほかにも、厚生労働省と農林水産省から発表されている『食事バランスガイド』を参考に、足りない食材をチェックしてみてください。たとえば、『主食』『副菜』『主菜』は食事での登場回数が多いので、おやつでは『牛乳・乳製品』や『果物』を摂る機会を増やす……といったように、一日の食事の中でバランスが整うように意識しましょう」
※「平成24年 国民健康・栄養調査」の栄養素等摂取量 1-6歳中央値
※「日本人の食事摂取基準(2015年版)」推奨値
野菜嫌い克服にぴったり!「かぼちゃのクッキー」
材料が見えて安心なうえ、愛情もたっぷり込められる手作りおやつのレパートリーは、いくつあっても嬉しいもの。今回は、野菜をたっぷり使ったクッキーをご紹介します。野菜が苦手なお子さんも、見た目が可愛く手づかみできるクッキーならパクパク食べちゃうかも!
<材料 (約20枚分)>
※子ども一人当たりの一回のおやつでの目安摂取量は3~5枚です。
- ・かぼちゃ...約70g
- ・ホットケーキミックス...100g
- ・バター...40g
- ・砂糖...大さじ1(9g)
- ・卵黄...1個
<作り方>
- 卵黄と砂糖を混ぜ合わせたら、ホットケーキミックスと室温に戻したバターを加えてよく混ぜる。
- かぼちゃは種とわたを取って蒸す。(レンジを使う場合は600Wで2分程度を目安に)
- かぼちゃの皮を取ってからペースト状になるまでつぶし、1に加える。
- 生地をよく混ぜ合わせたら冷蔵庫で30分ほど寝かす。
- 生地をマスカット大に丸めて押しつぶし、平たくして形を整える。
- 180℃に余熱したオーブンで10分ほど焼く。
「今回のレシピはかぼちゃを使いましたが、かぼちゃの代わりに人参やさつまいもなどを使うのもおすすめ。ぜひお子さんが苦手な野菜にトライしてみてください」
手軽にカルシウムが取れるフルーチェ
「牛乳と混ぜて作るフルーチェだと、不足しがちなカルシウムも手軽に摂れます。牛乳以外にもヨーグルトと混ぜたり、季節のフルーツなどを乗せてビタミンをプラスするのもいいですね」
イチゴトッピングフルーチェ
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フルーチェ&ヨーグルト
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子どもの健康のために!おやつ選びで気を付けたいこと
最後に、おやつを選ぶ際に気を付けたほうが良いことについて川口さんに伺いました。
「子どもの健康のためにも、市販のおやつを買う時は、揚げ物や糖質たっぷりのものは避けるのがおすすめです。また、もう一点気を付けていただきたいのが、おやつの大きさ。ぶどうやミニトマトなど、一口大の大きさのものを喉に詰まらせてしまうトラブルをよく耳にします。食べやすいと思ってつい一口大で与えてしまいがちですが、誤って丸飲みしてしまわないよう、小さいうちは半分に切って与えるか、かじるクセをつけるためにも少し大きめに切るのがおすすめです」
子どものおやつは、食の成長を促す大事な時間。食のバランスと子どもが喜ぶことを意識して、上手におやつと付き合っていきましょう。
「フルーチェ」ブランドページ
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執筆者プロフィール
川口 由美子(かわぐち ゆみこ)
All About「離乳食・幼児食」ガイド。女子栄養大学生涯学習講師。管理栄養士。一般社団法人母子栄養協会代表理事。育児関連会社にてベビーフードの企画・開発、レシピ作成、育児アドバイスなどに携わった後、独立。二児の母。著書に「フリージング幼児食」(大泉書店)ほか。
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