みんなが大好きなメニューと言えばカレー。でも、一口でカレーと言ってもいろんな種類がありますよね。そしてタイプによっても最適な鍋は異なります。今回はキッチンツールに詳しいフードスタイリスト・料理研究家の野口英世さんに、持っていたら重宝する鍋を3種選んでいただきました。
持っていればプロの味! “間違いない ” カレーが作れる「鋳物鍋」
まず、野口さんが最初に挙げてくださったのが、鋳物鍋。いつもの“おうちカレー”こそ、鋳物鍋で作ってほしいとおっしゃいます。
「厚手の鋳物鍋は、火の当たりがよいので食材が焦げることがありません。それに、じっくりゆっくり熱が伝わっていくので、食材の内部まで火が通って、しっかり味がなじむんです。“おうちカレー”の具材は、鶏肉やジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンなど王道なものだと思いますが、鋳物鍋で作ると格段においしく仕上がると思います」
中でもお気に入りは、フランスの調理器具メーカー「ストウブ」の鋳物ホーロー鍋だとか。
「フタの裏についているピコ(突起)が、素材から出る水分や旨みを水滴化してくれるんです。それが下の具材に伝わって、おいしく煮込むことができます。それに、何と言っても見た目がよいですよね!そのまま食卓に出しても見栄えがします!いろんな色展開があるので、ご自身のテーマカラーに合わせて選んでみてはどうでしょう?大きさもいろいろあるので、作る量によって変えてみて」
鍋を変えるだけで、ベーシックなチキンのカレーもおいしくなるなんて感動。その上おしゃれに見えて嬉しい限りです。もちろん、カレー以外の煮込み料理にも向いています。
かたまり肉がほろほろに! ごちそうカレーなら「圧力鍋」が楽チン
次に紹介してくださったのが圧力鍋。圧力鍋というと難易度が高い気がしてしまいがちですが、野口さんいわく「面倒なことが少なくなって、むしろ楽チン」なのだそうです。その代表的な出番は、大きなかたまり肉を煮込む時!
「かたまり肉を調理するのって、時間がかかって面倒ですよね。でも、圧力鍋さえあれば、しっかり圧をかけることで、短時間でやわらかく煮込むことができるんです。今回は大きな牛肉を圧力鍋で煮込んでから、マッシュルームや赤ワイン、トマトを加え、ごちそうカレーにしてみました。普通の鍋なら2~3時間かかるところが、圧力鍋ならたったの20分!時間だけでなく、光熱費の節約にもなりますよ。 私のおすすめは、フランス『クリステル社』の圧力鍋です。この鍋のよいところは、普段はフタを変えて普通の鍋としても使えるところ。一般的な圧力鍋は、圧力鍋としての機能しか果たさないものが多いですが、それだと使う機会が限られますし、収納スペースを確保するのも大変ですよね。でも、『クリステル社』の圧力鍋は、普段から大鍋としてパスタを茹でる時にも使っています」
なるほど。圧力鍋は持っていると重宝する便利アイテムなんですね。ほろほろ食感のビーフカレーは、まさにごちそう! こんなスペシャルメニューがおうちで作れたら、自慢できそうですね。
ひとつあると便利! ドライカレーにぴったりな「鉄のフライパン」
最後は鉄のフライパンを紹介してくださいました。20センチのグリルパンは、1人分のドライカレーをそのまま食卓に出すのにうってつけ!
冷蔵庫にある残り野菜をみじん切りにしてひき肉と炒め、カレールーを削って加える即席のドライカレーです。サフランライスと一緒に盛りつけられたドライカレーは、おしゃれなカフェごはん風。鉄のフライパンにのっていると、とってもおいしそうに見えますね。
「保温性があるから、温かいまま食べられるのが嬉しいですよね。鉄のフライパンの魅力は、鋳物鍋と同じく中までじんわり火が通ることです。ですが、それよりも作ってそのまま食卓へ持っていける手軽さが、私は良いと思っています。鉄のフライパンは手入れが大変だと思われがちですが、意外と楽なんですよ。一生使うことができるので、ぜひ1つよいものを手に入れてみてはどうでしょう」
鉄のフライパンが自分仕様になじんでくれたら理想的ですよね。ちなみに、野口さんのおすすめはドイツのメーカー「ターク」のグリルパンだそうです。職人の手でひとつひとつ鍛錬仕上げされたフライパンはすっかり野口さんの手になじみ、味わい深さを増していました。
今回紹介してくださった3種類の鍋は、カレーの他にもいろんな料理にも応用できます。まずはぜひ、お好みの鍋で好きなカレーを作ってみてください。
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執筆者プロフィール
野口 英世(のぐち ひでよ)
フードスタイリスト、料理研究家として、テレビや雑誌、書籍、広告等でレシピ紹介。企業のレシピ考案から撮影用料理制作、フードスタイリングまで手がける。All About「簡単スピード料理」ガイド。
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