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1日の必要量は?不足するとどうなる?人間のカラダをつくっている「たんぱく質」の基本を徹底解説

1日の必要量は?不足するとどうなる?人間のカラダをつくっている「たんぱく質」の基本を徹底解説

炭水化物、脂質とともにエネルギー産生栄養素のひとつである「たんぱく質」。筋肉や臓器、皮膚、髪など、人間のカラダをつくっている構成成分であり、それ以外にも生命の維持に必要です。そんなたんぱく質について、詳しく見ていきましょう。

知っておきたい!たんぱく質キホンのキ

たんぱく質は筋肉、内臓、皮膚、骨、血液などカラダを構成する要素として必要であり、それ以外にも、代謝を調節する酵素やホルモン、体内で物質輸送に関与するヘモグロビン、アルブミンやトランスフェリン、抗体として働く免疫グロブリン(γ-グロブリン)などもたんぱく質でできています。人体の中には約10万種類のたんぱく質があり、それぞれが異なる役割を持っています。

適正体重の成人の場合、たんぱく質は体重の約16%を構成していますが、体内では古いものと新しいものが常に入れ替わっています。また、炭水化物や脂質と比べると少ない割合ですが、エネルギーとしても利用されます。

日本人が1日に摂取すべきたんぱく質(推奨量)は15~64歳の男性で65g、18歳以上の女性で50gとされています(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)。

動物性たんぱく質・植物性たんぱく質とは?

たんぱく質は、大きく「動物性たんぱく質」「植物性たんぱく質」に分けられ、それぞれの食品により構成するアミノ酸の種類や量が異なります。

肉や魚、卵、乳製品など動物性の食品に含まれるたんぱく質は「動物性たんぱく質」と呼びます。動物性たんぱく質は後述する必須アミノ酸をバランスよく含みますが、一方で摂りすぎると飽和脂肪酸やコレステロールが増えるおそれもあり、摂り過ぎに注意が必要です。

豆や豆腐など植物性の食品に含まれるたんぱく質は「植物性たんぱく質」といい、大豆などの豆類の他、とうもろこしや米、小麦などの穀物類や野菜類などにも含まれています。植物性たんぱく質を含む食品には食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富です。植物性たんぱく質だけでは必須アミノ酸をすべて摂ることは難しいため、バランスを気にしながら食べる必要があります。

動物性たんぱく質・植物性たんぱく質には、それぞれの特徴があり、どちらかに偏ることなく、さまざまな食品をバランスよく食べることが必要といえます。

体内で合成できない「必須アミノ酸」とは?

食品から摂取したたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され、さらにアミノ酸からカラダにとって必要なたんぱく質が合成されます。

たんぱく質は20種類のアミノ酸が数十~数百個以上の鎖状に結合してできています。たんぱく質を構成しているアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン)を食事で摂取する必要があります。これらの体内で合成できないアミノ酸を「必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)」と呼びます。

体内で必須アミノ酸が1種類でも不足すると、その分を他のアミノ酸で補うことはできず、アミノ酸の利用がストップしてしまい、使われなかったアミノ酸は無駄になってしまいます。

それぞれの食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを示す指標が「アミノ酸スコア」です。動物性たんぱく質はいずれもアミノ酸スコア100ですが、植物性たんぱく質は100に満たないものがほとんどです。ただし、不足する必須アミノ酸を別の食品から補うことができれば問題はありません。

▼アミノ酸スコアの例:

  • ・精白米:93
  • ・小麦粉:53
  • ・大豆・豆腐:100
  • ・じゃがいも:100
  • ・鶏卵:100
  • ・牛乳:100
  • ・牛肉:100
  • ・豚肉:100
  • ・サケ:100
  • ・トマト:85

※『栄養の基本がわかる図解事典』(成美堂出版)より

美容に健康に…1日にどれくらい摂取すればいい?「たんぱく質の摂り方」について

たんぱく質が不足・欠乏するとどうなるのか

臓器、筋肉、皮膚、骨や歯、毛髪や爪などカラダの材料となるたんぱく質の欠乏は、
・筋肉量の減少により運動機能が低下する
・怪我しやすくなり、怪我から回復するための修復に時間がかかってしまう
・基礎代謝量が落ちて太りやすく痩せにくい体質になりやすくなる
・枝毛や切れ毛の原因になり、薄毛を招く可能性もある

といった不調の原因となります。たんぱく質の摂取不足が特に顕著にあらわれるのは、高齢者における「フレイル」や「サルコペニア」の進行です。

セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質も、たんぱく質を構成するアミノ酸からつくられています。そのため、たんぱく質が不足すると神経伝達物質の働きも鈍り、集中力ややる気の低下につながります。

たんぱく質を摂りすぎるとどうなるの?

たんぱく質に過剰症はなく、耐容上限量も設定されていません。しかし、摂りすぎた場合、過剰なたんぱく質を分解し、排出する過程で腎臓に負担がかかることがあります。

腎臓には、血液をろ過する役割があります。年齢とともに腎臓の機能は低下していきますが、たんぱく質を摂りすぎていると、ろ過の際に腎臓に過剰な負担をかけ、腎機能に影響を与えると考えられます。たとえば市販のプロテインなども、飲みやすいので過剰に摂取しやすく、結果的に腎臓に負担をかけてしまうことがあるので注意が必要です。

また、肉や卵などの動物性たんぱく質を多く摂ろうとすると、カロリーも過剰になり、肥満につながることも考えられます。さらに動物性たんぱく質を摂取しすぎると、体内のシュウ酸、尿酸が増えて、尿路結石になりやすくなることがあります。

もうひとつ、消化吸収されなかったたんぱく質がそのまま腸内に入って悪玉菌のエサになると、腸内環境の乱れの原因になります。悪玉菌の量が増えて腸内細菌バランスが崩れると、腸の運動が弱まり、食中毒菌や病原菌による感染の危険性、発がん性を持つ腐敗産物が多くつくられてしまうおそれもあります。腸内細菌の状態はさまざまな病気と密接な関係があるので、注意が必要です。

たんぱく質は、人間のカラダを維持するために、老若男女問わずあらゆる人にとって必要不可欠な栄養素です。高たんぱく低カロリーの食事を意識するなど栄養バランスの良い食生活を心がけ、過不足なくたんぱく質を摂取しましょう。

※医師や管理栄養士から食事指導を受けている場合は、その指示に従ってください。

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

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