from ハウス

  • 健康

本当はこわい?健康情報 ヘルスリテラシーを身につけよう

飲むだけで○○が治る、○○は食べてはいけない……インターネットにも、雑誌や新聞などの広告にも、こんなフレーズがあふれています。でも、それ、「あなたの健康」にほんとうにベストか、わかりますか? 世の中にあふれる健康情報から、自分に適したものを選びとるために「ヘルスリテラシー」を身につけましょう。

ヘルスリテラシーは“健康情報を読み解く力”

リテラシーという言葉は、もともとは「読み書きの能力」という意味。そこから転じて、さまざまな分野で、知識や能力があることを「○○リテラシー」と言うようになりました。
ヘルスリテラシーとは、自分に必要な健康情報を見つけ、理解し、評価し、活用する力のこと。
ネットやテレビ、雑誌や広告などでは、“健康に役立つ”食べ物や商品を取り上げて、「どんな効果があるのか」「効果はどれくらい早く現れるのか」といったことをアピールしています。ところが、「どのような仕組みで効くのか」「副作用や注意が必要なこと」といった情報はほとんどないため、効用だけに目が行き、リスクには無頓着になりがちです。
たとえば、「抗酸化作用がある」とされるビタミンAですが、摂取しすぎると、腹痛、嘔吐といったビタミンンA過剰症になる可能性があります。このように、体に良いとされるサプリメントを大量に摂取した場合のリスクはあまり知られていません。また、ブームの「糖質制限ダイエット」でも、流行だからと始めたものの極端なエネルギー不足で体調不良に陥る人も少なくない、と言われています。
自分に合った健康情報が選べない、流行に流される……このような「ヘルスリテラシーが低い」状態では、思わぬ健康被害に巻き込まれる危険があります。
2015年には、内閣府の食品安全委員会が、健康食品について「食品であっても安全とは限りません」「ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります」「誰かにとって良い健康食品が、あなたにとっても良いとは限りません」などの注意事項を発表。(※1) 健康情報が溢れている今、ヘルスリテラシーを身につけ、健康情報を上手に選び取ることは、もはや必須になってきている……といえるでしょう。

健康情報を見極めるキーワードは「い・な・か・も・ち」

では、ヘルスリテラシーを身につけるには、どうすればよいのでしょうか。ヘルスリテラシー向上に取り組む聖路加国際大学では、健康に関する情報を選ぶときに、どのようなポイントに注意すればよいのかを、覚えやすいようキーワードにまとめています。それが、「い・な・か・も・ち」。

健康情報は「い・な・か・も・ち」で確認

  • い……いつ書かれた情報か
  • な……なんのために書かれた情報か
  • か……書いた人はだれか
  • も……元ネタは何か
  • ち……違う情報と比べたか

【い】いつ書かれた情報か

健康・医療の研究は日々進化しています。そのため、書かれた当時は最新だったデータが、今では古くなっている可能性があります。書籍なら発行日を、ネットの場合は、更新日をチェックしましょう。

【な】なんのために書かれた情報か

宣伝や広告なのか、科学的な検証記事なのか、注意深く読み解きましょう。書籍の場合は、まえがきやあとがきなどが参考になりますし、ウェブサイトでは、運営元や目的などをチェックするとよいでしょう。

【か】書いた人はだれか

情報を書いた人はどんな立場でどのような背景の人かをチェック。出版社やウェブサイトの運営団体から、大体の志向がわかる場合があります。書いた人の名前がわかれば、そこから専門分野や所属している学会といった立場や背景を知ることができます。そうすることで、入手した情報についての理解を深めることができます。

【も】元ネタは何か

健康“効果”をうたうからには、根拠となるデータや論文があるはず。それが示されていない場合は要注意。「使用者アンケート」や「利用者の声」は、一見信用がおけそうですが、あくまでも個人の感想。科学的な裏付けとは言えませんし、都合のよい内容を選んでいる可能性もあるので注意しましょう。

【ち】違う情報と比べたか

一つの情報だけで判断せず、別の人の書いた本やウェブサイトを読み比べたり、ほかの商品と比較したりするなど、自分で比較・検討しましょう。

少々手間がかかっても、この「い・な・か・も・ち」で健康情報を確認する習慣をつけると、見つけた健康に関する情報の理解がさらに深まります。「こういう情報ならば信頼がおける」「これは少し危なそう」と感じることができるようになればしめたもの。ヘルスリテラシーが身についてきたと言えるでしょう。

医療機関でもヘルスリテラシーを磨こう

ヘルスリテラシーが役立つのは、自分で健康情報を調べるときだけではありません。
自分に関係する健康情報をたくさん手に入れられるところ――健康情報の宝庫――それは医療機関です。
医療機関で説明を受けるとき、わかりにくいことがあってもついついそのままにしてしまう人は意外と多いのではないでしょうか。しかし、必要なときには医師や看護師、薬剤師に質問し、自分の健康状態をしっかり理解するのも、ヘルスリテラシーにとっては大切なことなのです。
最近では、健康についての相談を受け持つ「健康相談外来」「健康相談室」を設けている医療機関があり、「健康相談」に取り組む自治体も増えてきています。「受診するほどではないけれど……」というときに、利用してみてはいかがでしょうか。
ちょっとしたことの積み重ねでも、自分の健康を自分で理解しようとすること。それがヘルスリテラシーを育てていきます。

※本ページの記載内容は記事公開時点の情報に基づいて構成されています。

その他の記事

 
  • 開発ストーリー

「秋ウコン」の意外なチカラとは?!人気製品の開発秘話インタビュー!

みなさん、ウコンと言えば、会食やパーティーなどのシーンで飲むイメージが強いのではないでしょうか?今回はそのウコンが持つ、意外なチカラに着目した2つのサプリ「クルビサ」と「ゴールデンヴェール」の開発者のお二人にお話を聞いてみました。

 
  • サステナ

中学一年の生徒さんたちが「給食の食品ロスを減らすアイディア」を考えました!ハウス食品グループの地域との取り組み

ハウス食品グループでは毎年、東京本社が所在する千代田区の九段中等教育学校さまの、第一学年「総合的な学習の時間『地域を知る~企業訪問』」に協力しています。この授業は、キャリア教育や社会性の育成を目的に、生徒さんが千代田区内の企業・事業者を訪ね、そこで出された課題に対して解決策を提案するというユニークなもの。ハウス食品グループはこの趣旨に賛同し、共に学ぶ気持ちで取り組みを継続しています。今回は、九段中等教育学校の1年生5名の生徒さんたちがハウス食品グループ本社CSR部の神宮字 慎さんを訪問し、食品ロスについて学習、ハウス食品グループの食品ロス削減の取り組みについて説明を受けました。そして、提示された課題「自分たちの学校の給食の食品ロスを減らす方法」について約3ヶ月かけて考え、プレゼンしてくれました。

 
  • レシピ

「カモンハウス」会員の皆さまのアイディアレシピも盛りだくさん。フルーチェアレンジで楽しく牛乳を使おう!

1976年にハウス食品から発売されたフルーチェ。火を使わず、親子はもちろん、お子さま一人でも安心して作ることができるデザートを届けたいという思いから生まれました。フルーチェと牛乳があればすぐできる手軽さで、幅広い世代に親しまれています。 一方、近年、日本ではペットボトル飲料の増加などで牛乳の消費量は減少傾向にあります。また、冬はあまり牛乳が飲まれない上、コロナ禍による休校や、業務用需要の停滞もあり、牛乳消費量の減少は社会問題にもなっています。しかし牛乳は栄養価の高い食品。今回は「カモンハウス」会員の皆さまから「トークのお部屋」に寄せられた2,000件近い投稿をもとにしたフルーチェアレンジをご紹介。手軽に作れるフルーチェでもっと牛乳を使ってみませんか?ぜひ、参考にしてみてください。

 
  • 想い出

【コメントを漫画化】ほっこりエピソードがたくさん!ハウス食品カレーの想い出

カレーは子どもから大人まで大好きなメニューのひとつ。朝も昼も夜も、食卓や給食、キャンプ場など、いつどこで食べても美味しく、カレーがあるだけで不思議と楽しい時間になりませんか。ハウス食品では、1926年に「ホームカレー」を発売。以来、数多くの商品を開発し、たくさんの方に笑顔を届けてきました。今回は、ハウス食品グループ製品の想い出をお伺いしたトークのお部屋からカレーに関するエピソードを集め、漫画化しました。

 
  • スパイス

【管理栄養士監修】心とからだを癒やす“スパイスティー”で充実したリラックスタイムを

最近注目を集めている“スパイスティー”。スパイシーで甘い香りは、リラックスタイムにぴったりなだけではなく、体調を崩しやすい季節の変わり目にもおすすめのドリンクです。この記事では、各スパイスの香りの特徴を解説しながら、おうちで簡単にできる“スパイスティー”のアレンジレシピをご紹介します。