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美容皮膚科医が教える肌の老化メカニズムと美肌のための食習慣

歳を重ねるごとに身体の衰えを感じる方も多いのではないでしょうか。乾燥やシミ、しわなど、とくに肌の悩みはもっとも気になるところです。全国に先駆けて美容皮膚科外来を開設した、日本医科大学付属病院 皮膚科の高山良子先生に皮膚の老化のメカニズム、セルフケアのポイントやアンチエイジングの観点からおすすめの食べものや生活習慣についておうかがいしました。

老化のメカニズム、「肌のターンオーバー」とは?

そもそも肌の老化とはどのようなものなのでしょうか? 「老化の主な原因として、加齢によるターンオーバーの乱れや女性ホルモンの減少、紫外線による光老化などがあげられます」と、高山先生は話します。

老化のメカニズム、「肌のターンオーバー」とは?
表皮は角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層にわかれ、基底層では常に新しい表皮細胞が作られている。

皮膚は外側の表皮、その内側の真皮、そして一番奥にある皮下脂肪組織の3層からできています。このうち、表皮では一番下にある基底層から細胞が分裂して徐々に上の層へ移行し、最後は脱落します。このサイクルを「肌のターンオーバー」といい、これにより肌の瑞々しさや透明感が生まれているのです。しかし、加齢によってこのサイクルがだんだんと遅くなったりトラブルが起こったりすると、くすみなどにつながってしまうのです。

また、真皮には毛細血管やリンパ管などが張り巡らされており、酸素や栄養素を送り、老廃物を運び去る役割をしています。真皮の主な成分はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などで、皮膚の弾力やハリを保ちます。しかし、肌のバリア機能が低下すると、紫外線の影響を受けやすくなり、乾燥やダメージも進みます。

さらに、女性の場合、25歳から30歳前後をピークに女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少します。これにより、コラーゲンやエラスチンの生成が不十分となり、皮膚の弾力やハリにも影響を及ぼすのです。

意外と知られていない、触り過ぎによるダメージ

意外と知られていない、触り過ぎによるダメージ

また、特に女性は肌の触り過ぎがダメージにつながるケースが多いと高山先生は指摘します。「朝晩、クレンジング、洗顔、化粧水、乳液、日焼け止めにファンデーションと1日に何度も肌を触ります。実は洗い過ぎや触り過ぎが、肌への刺激になっていることも多いのです。アンチエイジング対策をする前に、まずは日頃のスキンケアを見直してみましょう。」

高山先生によれば、朝はクレンジングはせず、ぬるま湯でやさしく洗顔するのがいいそう。ごしごし洗ったり、皮膚を上下に動かしたりしてクレンジングするのはNG。丁寧に優しく触れて、なるべく肌に刺激を与えないようにしましょう。

洗顔後は、化粧水などで水分をたっぷり浸透させたら、水分の蒸発を逃がさないようにすぐ保湿剤で蓋をすることが大切です。乾燥肌が気になるという人はセラミド、ヒアルロン酸など保湿成分が配合された化粧品を使うのもいいそう。「よく乾燥がひどいのでワセリンを使うという方がいますが、ワセリンは保護のためのものであって保湿ではなく、肌のトラブルそのものを改善するわけではありません。」

保湿剤や日焼け止めの効果的な塗り方

保湿剤や日焼け止めの効果的な塗り方

スキンケアには欠かせない保湿剤や日焼け止め。これらを使う時にはどんなことに気をつければいいか、高山先生にうかがいました。

●保湿剤の量・回数

「保湿剤の塗り方について、患者さんへの指導としてはFTU(フィンガーチップユニット)という単位を用いています。軟膏の場合、FTUは大人の人差し指の一番先から第1関節に乗る量で、約0.5gに相当します(チューブの穴の直径が5mm程度の場合)。これを1FTUと呼び、大人の手のひら2枚分くらいの面積をめやすに塗ってください。」

しかし、気にしてほしいのは量よりも頻度。日によって塗ったり塗らなかったりすると、効果が薄れてしまいます。また、保湿剤を塗るタイミングについては、入浴直後でも少し時間が経ってからでも効果の差はほとんどないことが最近の研究でわかってきています。

●日焼け止めの量・回数

肌への紫外線ダメージを少なくするためにも日焼け止めは大切。特に春先は紫外線量が増えてくる時期でもあり、真夏だけでなく早い時期から気を付けましょう。

「一般的にはお顔の場合、クリームタイプでは直径7mm程度のパール粒2つ分を、またローションタイプでは100円硬貨2つ分を2回に分けて塗布します。鼻やあごなど紫外線が直接当たりやすい部分には重ねて塗りましょう。耳や首の後ろなどは塗り忘れやすいので気をつけてください。」日焼け止めのみを塗る場合は、少し白さが残るくらい塗ると効果的なのだそうです。

また、汗をかいたら、3時間程度で軽く重ね塗りしてください。遮光効果のあるファンデーションを重ねて使うのもおすすめ。「ただ、骨の形成に必要な栄養素のビタミンDは、食事からだけでなく、太陽の光が皮膚にあたって体内でつくることができます。過度に日焼け止めを塗ると、ビタミンDが欠乏するという研究もあり、若いうちに極端に日光を遮ると将来的に骨粗しょう症のリスクが上がるともいわれています。」ちなみに、ビタミンDを補う方法としては、15分程度の手足の日光浴のほか、鮭やイワシ、サンマなどの魚を食べることもおすすめです。

肌のアンチエイジングにおすすめの食習慣

肌のアンチエイジングにおすすめの食習慣

前述した皮膚への刺激やスキンケアの見直しをしたうえで、食事からのアプローチも有効です。肌のアンチエイジングに有用な栄養素とそれを含む代表的な食品には以下のようなものがあり、効果的な摂り方と食プランをご紹介します。

●ビタミンC|メラニン色素の生成を抑制

パプリカ、柑橘、ブロッコリー など

⇒ビタミンCは水溶性で熱に弱いので、できればサラダなど生食がおすすめ。加熱するときは茹でるよりも蒸すほうがビタミンCを効率的に摂取できます。

●ビタミンE|抗酸化作用が高く血行を促進

アーモンド、オリーブオイル、モロヘイヤ など

⇒別名「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEは脂溶性で油と合わせて摂ると吸収率がアップします。またビタミンAやビタミンCを含む食材と一緒に摂ると抗酸化力が増します。砕いたアーモンドとオリーブオイルをかけたブロッコリーサラダや、小松菜のナッツ和えなどがおすすめです。

●ビタミンA|肌のターンオーバーを促進

カボチャや人参などの緑黄色野菜、レバーやうなぎ など

⇒脂溶性のビタミンなので、油を使って調理すると吸収率が生食よりも6倍アップします。人参のきんぴらやカボチャのバター炒めなど、毎日の食卓に1品追加するのを習慣づけるといいでしょう。

●ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パンテトン酸、ビオチン、葉酸)|抗酸化作用

くるみなどナッツ類、納豆、アボカド、豚肉、玄米 など

⇒水に溶けやすく熱に弱いので、生食や加熱した場合は煮汁ごと摂取しましょう。納豆の玄米ご飯やアボカド豆腐サラダなどもおすすめです。

●ポリフェノール|抗酸化作用

豆類(イソフラボン)、赤ワイン(レスベラトロール)、緑茶(カテキン)、コーヒー(ポリフェノール)、チョコレート(カカオポリフェノール)

⇒ポリフェノールは植物に多く含まれる抗酸化ビタミンのひとつ。身体に貯めることができないので、日常的に摂取するのを習慣化するのがいいでしょう。

ポリフェノールとは、植物が活性酸素から自らを守るためにつくる抗酸化物質の代表です。緑茶やチョコレートなどにも含まれていますが、実はコーヒーには赤ワインと同レベルのポリフェノールがあるのです。コーヒーポリフェノールの摂取が多いほど、紫外線によるシミが少ないという報告もあります。」高山先生によれば、コーヒーは1日2杯以上がおすすめ。患者さんにいつも肌のことを褒められるという先生自身も、コーヒーとチョコレートを毎日摂取しているそうです。

ただ、この食品を摂らねばならないと気にし過ぎると、余計にストレスとなり肌のためにも逆効果です。美肌のためにはバランス良く食べるのがなによりも大切です」と高山先生。肌への刺激を少なくし、適切なスキンケアや紫外線ケアをしながら、食べるものを意識して、肌のアンチエイジングを心がけましょう。

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